熊本県に建設中のTSMC半導体工場(PIXTA)

熊本の半導体産業の振興はなぜ成功したのか 明治から続く教育と蓄積

九州経済が好調だ。熊本県に半導体産業が集まり、半導体受託生産の世界最大手TSMC(台湾積体電路製造)が同県に工場を建設中だ。それをもたらしたさまざまな理由の中で、大学と産業の結びつき、その背景にある先を見据えた人への投資が、今の成果をもたらしたと思う。

突然だが、話は明治時代に飛ぶ。

作家で軍医であった森鴎外(1862-1922)は、福岡の小倉に軍医として1899年から1902年まで赴任した。鴎外は「左遷」と嘆きながら、九州で歴史やフランス語を学び、のちの文学活動に役立てる。彼は福岡日日新聞へ1899年(明治32年)に、「我をして九州の富人たらしめば」という寄稿をした。

▶ 続きを読む
関連記事
世界一の長寿企業国・日本。創業1400年の金剛組や500年のとらやなど、300年を超える老舗には利益よりも大切な「家訓」があった。時代が変わっても揺らぐことのない東洋の道徳観「義」の精神と経営の真髄に迫る
米国防総省は調達制度を刷新し、低コスト・大量生産のドローン戦略へ転換。「ガントレット」試験により企業を実戦環境で即時選抜し、迅速配備と技術更新を実現する
ウクライナ軍のドローン主導戦術が、ロシアの大規模装甲攻勢を撃退。低コスト兵器が高価な戦車を無力化し、戦場の構造と戦術を根本から変えつつある
パナソニック創業者・松下幸之助が掲げた「水道哲学」と儒教の「仁」の思想の響き合いを描いた一文。モノづくりを通じて人々の生活を支え、社員の人格を育んだ希代の経営者の哲学と、その真意に迫る
中国による南太平洋への弾道ミサイル発射と米豪への影響、それに応じたインドの軍事・外交的対抗策、そしてトランプ政権下での米国の孤立主義回帰による「インド太平洋戦略」の変容と今後の国際情勢を解説する