北朝鮮が10余りの大使館閉鎖、制裁で財政難 外貨獲得にも影響
[ソウル 1日 ロイター] – 一部メディアの報道などによると、北朝鮮はスペイン、香港、アフリカなど12の大使館を閉鎖する。韓国統一省は、国際的な制裁の影響で財政難に陥っているとの見方を示している。
韓国統一省によると、北朝鮮は159カ国と正式な外交関係を結び、53の在外公館を持つ。
北朝鮮国営朝鮮中央通信(KCNA)は先月30日、アフリカのアンゴラとウガンダの駐在大使が先週、両国首脳陣にお別れのあいさつをしたと伝えた。両国の現地メディアは、北朝鮮大使館が閉鎖されたと報じた。
北朝鮮情報サイト「NKプロ」の創設者チャド・オキャロル氏は1日付のリポートで、12以上の公館が閉鎖される可能性があると指摘し、その背景に国際的な制裁、国際社会での孤立、経済状況の悪化があると述べた。大使館の閉鎖は「北朝鮮にとり過去数十年で最大の外交政策の刷新の一つ」になる可能性があり、北朝鮮の外交業務や同国での人道活動、不正な収入を得る能力にも影響を与えるとの見方を示した。
アンゴラとウガンダは1970年代から北朝鮮と友好関係にあり、軍事面で協力している。銅像建設プロジェクトなどは北朝鮮の外貨獲得源になってきた。韓国統一省は31日の声明で、両大使館の閉鎖は「国際社会の制裁強化によって外貨獲得ビジネスが行き詰まり、大使館を維持することが難しくなった」ことが要因と指摘し「伝統的な友好国と最低限の外交関係を維持することさえ困難という北朝鮮の財政難の表れと言える」との見方を示した。
韓国聯合ニュースは、スペインの大使館も閉鎖され、イタリア大使館が業務を引き継ぐと報じた。スペインの共産党のウェブサイトで公開された通信文書によると、北朝鮮大使館は10月26日付の書簡で閉鎖を発表した。
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