47万6千年前の人類?
考古学者はザンビアで、約47万6千年前の石器時代初期または更新世(Pleistocene Epoch)に遡って、木造の建造物を発見しました。これは、人類の祖先が建築に木材を使用した最も古い証拠です。この発見により、初期人類が木材を大きな複合構造に加工する技術を持っていたことの認識が深まりました。
この研究は、9月20日に「Nature」誌に発表され、これらの発見を詳しく説明していました。この構造体自体は、現在思われている人類の出現時期よりも12万年も古いのです。
どこで発見?
カランボ滝(Kalambo Falls)は、高さ772フィート(235メートル)で、ザンビアとタンザニアの国境に位置し、アフリカ大陸で2番目に高い常時流れている滝です。2019年にそこで発見された木造構造物は、保存状態の良い2本の組み合わされた丸太が切り込みを入れられて、並べて接合されていました。両方の丸太に加工された跡があり、近くで多数の木製工具も発見されたのです。
この発見は、人間が意図的に2本の丸太を連結した最古の証拠です。研究者は、この丸太が高台、歩道、または定期的に浸水する地域の住宅基盤に使用されていた可能性があると考えています。以前の研究では、当時の木材が掘削、槍、火起こしにしか使用されていなかったと、思われていたのです。もう1つ、あきらかにされた最古の木製品は、1952年に南アフリカで発見され、石器時代中期(Middle Stone Age)のものです。
「今回の発見は、人類の祖先に対する認識を変えました。人類の祖先が何をしていたか見てください:木材を使って革新的な大きなものを作っていたのです」
と研究共著者である英国のリバプール大学の考古学者ラリー・バーハム(Larry Barham)氏は述べています。
「彼らは知能と想像力を使って、以前に存在しなかったものを創造しました」
更に研究者は、
「この発見が、石器時代の人類が遊牧段階にあったという定説に、疑問を投げかけた」
と述べているのです。
カランボ滝は常に豊富な水源を提供し、周囲の森林は恒久的または半恒久的な建築物を建てるために十分な木材を提供していたことでしょう。
「人類の祖先は周囲の環境を変え、生活をより楽にしました。たとえば、日常の些細なことをするために川のそばに高台を建てました。彼らは、我々が想像していた以上に現代人に似ていたのです」
とバーハム氏は述べました。
このチームは、新しい光ルミネッセンス年代測定技術を使用して、物体の年齢を測定しました。この技術は、木材周囲の砂に含まれる鉱物が最後に太陽の光にさらされた時間を推定しました。分析の結果、この文化遺産は約50万年前のものであると推定されています。
「この偉大な時代では、年代を測定することは非常に困難であり、これを実現するために光ルミネッセンス年代測定法を使用しました」
と、研究の共著者であるアベリストウィス大学の地理学者で光ルミネッセンス年代測定科学者のジェフ・ダラー氏は述べました。「新しい年代測定法は広範囲に影響を及ぼし、より早い時代に遡ることができ、人類の変遷を見ることができます」
「カランボ滝の遺跡は、1950~60年代に初めて発掘されました。当時の年代測定技術によっては、考古学者は発見物の重要性を理解できませんでした。現在では、考古学的重要性により、この地域はユネスコ世界遺産の暫定リストに登録されています。
この研究は「人類の根(Deep Roots of Humanity)」プロジェクトの一環であり、国際的な多学科研究者チームによって石器時代に人類のテクノロジーがどのように発展したかを調査しています。
「カランボ滝は非常に特別な遺跡であり、ザンビアの主要な文化遺産です。研究チームは、水に浸かった砂からさらに驚くべき発見を期待しています」とバーハム氏は述べました。
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