国際原子力機関(IAEA)が15日作成した二つの報告書によると、イランは核兵器級に近い濃縮度60%のウランを月間約3キロのペースで生産し続けている。写真はIAEAのロゴ。6月6日、ウィーンで撮影(2023年 ロイター/Leonhard Foeger)

イランが濃縮ウラン着実に生産、協議なお進展せず=IAEA報告書

[ウィーン 15日 ロイター] – 国際原子力機関(IAEA)が15日作成した二つの報告書によると、イランは核兵器級に近い濃縮度60%のウランを月間約3キロのペースで生産し続けている一方、IAEAがイランに対して早急に対応を求めている監視受け入れなど幾つかの問題についての協議は、依然として進展が見られていない。

IAEAが加盟国宛てに送った報告書の内容をロイターが確認したところでは、9月4日の前回報告書以降で、イランが蓄えた濃縮度最大60%のウランは6.7キロ増え、128.3キロに達した。これはIAEAの定義に基づくと、理論的には核爆弾3発が製造できる量だ。核兵器級のウラン濃縮度は約90%とされている。

イランは9月、IAEAにウラン濃縮を検証する一部査察官の受け入れを拒否すると通告。今回のもう一つの報告書では、こうした事案で話が進んでいないことも明らかになった。IAEAのグロッシ事務局長は受け入れ拒否を見直すようイランに促しているが、イラン側は「要請に応じられるかどうか検討中」とだけ回答したという。

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