12月20日、米国務省の外交団がシリアに到着した。バッシャール・アル・アサド政権崩壊後、ワシントン高官がシリアの首都ダマスカスを公式訪問するのは初めてである。
国務省の中東外交トップであるバーバラ・リーフ氏、米人質問題担当大統領特使であるロジャー・カーステンス氏、そして新たに上級顧問に任命されたダニエル・ルビンシュタイン氏が、シリアの暫定指導者と会談すると国務省報道官が発表した。
アサド政権が崩壊して以来、米政府高官がシリアを訪問し、新しい指導者と公式に会談するのは、今回が初めてとなる。
また今回の米政府高官の公式訪問は、アメリカが2012年にダマスカスにあった自国の大使館を閉鎖して以来となる。
12月8日、シリアの反体制派がダマスカスを掌握し、13年続いた内戦に終止符を打った。この出来事により、アサド大統領は国外への脱出を余儀なくされ、アサド一族による数十年にわたる支配が終わりを迎えた。
反政府武装組織「ハイアト・タハリール・アル・シャーム(HTS)」は、ダマスカスへの攻撃を指揮し、アサド大統領を国外逃亡に追い込んだ。この組織は、アメリカをはじめとする他の国々からテロ組織として指定されている。しかし、このような制裁を伴う指定があるにもかかわらず、米政府高官は、HTSのメンバーや指導者と対話することを禁止されていない。
国務省によれば、訪問した米高官は「市民社会のメンバー、活動家、さまざまなコミュニティのメンバー、その他のシリア人を含むシリア国民と直接接触し、国の将来に対する彼らのビジョンと、米国が彼らをどのように支援・援助していくかを話し合う」予定だという。
また、国務省の報道官の発言によると、米政府の高官はHTSの代表者と会談を行い、包括性や少数派の権利の尊重などシリアの新しい政治体制に関する重要な原則について話し合うという。
外交使節団は2012年にシリアで行方不明になった米ジャーナリスト、オースティン・タイス氏や、シリアで行方不明となった他のアメリカ人についての情報提供を要請している。
国務省は、米高官がシリアの暫定政府の指導者アフメド・アル=シャラア氏と直接会談するかどうかについて、明確な回答を避けている。
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