12月4日、英政府は、合法的な移民受け入れの規模を減らすための包括的な計画を発表した。写真は英ヒースロー空港で3月撮影(2023年 ロイター/Toby Melville)

英政府が移民受け入れ削減計画、人手不足に拍車と反発も

Alistair Smout Muvija M

[ロンドン 4日 ロイター] – 英政府は4日、合法的な移民受け入れの規模を減らすための包括的な計画を発表した。給与所得の要件を3割強引き上げるなどの内容で、与党保守党内からの突き上げを受けたスナク首相が移民規制に本腰を入れ始めたとみられる。

来年予定される総選挙を前に、野党労働党に支持率で大きく水をあけられている保守党の議員の間では、これまでのスナク氏の移民対策は手ぬるいとの批判が広がっていた。

一方企業や労働組合は、英国の欧州連合(EU)離脱後にただでさえ人手不足に陥っているセクターや公的医療サービスが、移民受け入れ削減でさらなるしわ寄せを受けると反発している。

英国が先月受け入れた移民は差し引き74万5000人と今年の最高を記録。クレバリー内相は、新たな措置を通じてこの数を30万人減らせると説明した。

クレバリー氏は「移民の数は多すぎる。(だから)本日、われわれはそれを抑えるために劇的な行動を取ろうとしている」と語った。

同氏によると、移民として受け入れる外国人技能労働者の最低給与所得を現在の2万6200ポンドから3万8700ポンドに引き上げる。ただ医療および社会関連の労働者には適用しない。

また医療分野での外国人労働者が自身のビザ(査証)で家族を呼び寄せるのを禁止し、移民が支払う健康保険料の上乗せ額を66%増やすことなども盛り込まれた。

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