国民生活センターが警鐘を鳴らした中国製クリームの危険(同センター報道資料)

「シミ消し」中国製クリーム、実際は強アルカリ性…「塗ったらビリビリ痛み」

独立行政法人国民生活センターは13日、SNS広告を通じて購入された中国製の「点痣膏」というクリームによる重篤な皮膚障害について報告した。ほくろやしみを取り除くと宣伝されていたが、実際には皮膚の腐食ややけどを引き起こす強アルカリ性であることが判明。ただちに使用を中止するよう呼びかけている。

消費者の一人、50代の女性は、クリームを顔面のしみ周辺に塗り広げ、ビリビリと痛み、皮膚がむけ、皮膚が変色したとの症状を報告。医師の診断では「完全に元通りになるかは分からない」ほどの痕が残ったという。

70代の女性は、塗った直後に「焼けるような痛み」を感じて皮膚科を受診。熱傷と診断され、治療期間の見込みは1年以上になるという。

該当製品の容器や外箱には、成分や使用方法等の日本語の表示はなかった。 SNSに掲載されている広告には、シミのない女性の皮膚の写真と共に「ひと塗りで安全かつ効果的にイボを除去できる」などと宣伝されている。

この報告を受けて、藤田医科大学の松永佳世子名誉教授は「強アルカリ性で腐食性のある化学物質で、安易に除去することを勧める、あるいは製品を販売する行為は、医師として容認できるものではありません」と強い懸念を示した。

製造元である河北天啓生物科技有限公司は河北省拠点の企業で、2019年4月に創業した。中国共産党の地方衛生当局も数次にわたり、薬品管理法違反があったとして罰金等の行政罰を下している。しかし、オンラインの中国本土の企業情報サイトによれば、少なくとも同社は今月も運営されているもよう。

国民生活センターは、このクリームは国内の販売事業者を介さない個人輸入されたものであると指摘。消費者に対して「SNSの広告が日本語であっても、効果の虚偽や誇大である恐れがある」として、少しでも不安がある場合は購入を控えるよう呼びかけている。

日本の保健当局に対しては、点痣膏を販売する個人輸入代行サイト等の運営者に対して削除要請等の対応を行うことを含め、被害拡大防止を行うよう求めている。

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