感染症対策に言論統制の懸念「政府行動計画」に意見19万件か

2024/05/08 更新: 2024/05/09

将来のパンデミックに備え、政府はどういった体制を構築するつもりなのか。目下進行中の「政府行動計画」の大幅改定に、多くの国民が関心を寄せていることが明らかになった。

先月24日に受付が開始され、今月7日に締め切られた「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(案) に関する意見募集(パブリック・コメント)に、約19万件の意見が寄せられたと見られている。

立憲民主党の原口一博衆議院議員は、「パブリックコメント189,000件を超える」と題した今朝のXのスペース(音声配信サービス)にて、「GWの真只中にこれだけの数が集まったのは凄いことだと思います」と述べた。

あるXユーザーは、締め切りである18時ちょうどに意見を提出した際に受理した受付番号のスクリーンショットを投稿しており、末尾には「189382」と表示されている。これらの番号が提出された件数を反映しているとみられている。

パブリック・コメントを実施した内閣感染症危機管理統括庁は、エポックタイムズの問い合わせに対し、「国民の関心の高まりを感じている」と答えた。寄せられた意見は目下総括中(16時時点)とのことで、「エラーやカウントできない意見もあるかもしれないので、具体的に何件の意見が寄せられたかに関して現時点ではコメントを差し控える」との返答だった。

同政府行動計画は今月中に最終案が取りまとめられ、6月に閣議決定される予定だ。

偽情報・誤情報を政府が監視へ

2013年に策定された同政府行動計画の現行版は89ページだが、改定案は223ページと膨大だ。概要には「感染症有事に際して迅速に対処を行うため、予め有事の際の対応策を整理し、平時の備えの充実を図る」とある。

この改定案をいち早く読み解いたジャーナリストの楊井人文氏は、重大な欠陥と考えられる 3つのポイントとして、「封じ込め」ありきで行動制限の歯止めが示されていないこと、差別や人権侵害の防止・是正を掲げる文言はあってもその対策が示されていないこと、多様な意見をくみとって修正する回路がないことを指摘している。

楊井氏はとりわけ、感染症対策の一環として政府が行う「偽・誤情報」のモニタリング(監視)が「言論統制」に繋がりかねないことを懸念している。感染症が発生したか否かにかかわらず、平時から「偽・誤情報」の監視を実施し、SNS等のプラットフォーム事業者に削除等の対処を要請することも改定案には盛り込まれている。

改定案には「ワクチン接種や治療薬・治療法に関する科学的根拠が不確かな情報等、偽・誤情報の拡散状況等のモニタリングを行い(中略)適切に対処する」と記されているが、その範囲は規定されていない。

岸田首相は1月にX上の投稿で、「平時であっても、ネット上の虚偽情報等の流通は、時として人命に関わる問題です。岸田内閣は偽・誤情報対策に正面から取り組みます」と言及するなど、これまでも積極的な姿勢を見せてきた。

今回多くの国民から寄せられた意見を受けて、政府がどう動くのか。6月の閣議決定まで目が離せない。

大紀元報道記者。東京を拠点に活動。
関連特集: 社会