ウィストン・リュウ氏(スクリーンショット)

中国勾留中に血液、X線、眼など身体検査…臓器狩り問題会議で元収監者語る

12月中旬に開かれた世界人権宣言を75周年を記念する円卓会議で、法輪功学習者で在米の技術士ウィンストン・リュウ氏が登壇した。中国共産党による迫害のなか、4度拘束され、暴行を受けた経験を持つリュウ氏は、拘留期間中、血液やX線など詳細な“検査”があったことを明らかにした。

中国共産党による組織的な医療犯罪、いわゆる「臓器狩り」による犠牲者は、全土で迫害を受ける法輪功学習者が最も多いと国際報告書は分析する。

リュウ氏は清華大学で博士課程の学生だった1998年、法輪功の修練を始めた。そして、1999年7月20日中国共産党による迫害が始まって以降、4度の勾留措置を受けた。身体的な虐待を受けながら、同時に身体検査が行われたという。

身体検査に疑問「誰が囚人の健康など気にするのか」

「看守はバケツで冷水をかけ続け、私が意識を失うまで“遊んで”いた。このほか、約6か月間、約1.8平方メートルの独房に入れられ、人との接触を遮断された。ここに入所する日、看守は1989年の天安門広場学生運動を率いた教師がこの独房に半年間入れられ、精神障害を負ったと言われた。私をその状態に追い込もうとしたのだろう。このほか、刑務所では血液検査、X線検査、眼科検査、尿検査など、広範囲の医療検査を受けた…」

会議司会を務めるウェルドン・ギルクリース医師が「他の囚人も同じように検査されたのか」と問うと、リュウ氏は法輪功学習者だけだったと述べた。

「2002年7月、法輪功学習者だけが呼び出され、列に並ばされた。刑務所には約40人いた。『全ての囚人に対する定期的な健康診断』だと言われ提携する病院に連れて行かれた。しかし、看守は嘘をついていたのだ。独房に戻った時、別の囚人が皮肉を言った。『冗談だろう。私たちはそんなに多くの検査を受けたことはない。誰がお前の健康など気にするのか』と」

法輪功学習者は長時間の四肢拘束、高圧電流を流す機器での殴打、狭所への閉じ込め、性的虐待などを受けていると、法輪功情報サイトの明慧ネットは報じている。こうした境遇にも関わらず、中国共産党当局は細かな身体検査を学習者たちに受けさせていた。

こうした検査は、国内外の臓器移植希望者(レシピエント)の人体組織と結合するかどうか、データをとるためではないかと、ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏は推計する。つまり、適合すれば強制的な臓器摘出が行われ、学習者は殺害される。

迫害の開始時期から移植手術件数は相対的に増加し、数百倍になった。ギルクリース氏はリュウ氏の話を強制臓器摘出の問題と関連付け「中国では2000年以前、年間約15件の肝臓移植を行っていたが、その後移植手術が爆発的に増加し、数千件に増えた」と述べた。

臓器狩り問題を公にしたカナダの独立調査の報告書が2006年に発表された。中国の移植病院、移植の研究文書、医師へのおとり調査を元に「法輪功、ウイグル人、家庭教会のキリスト教徒、チベット人を含む良心の囚人から臓器摘出を組織的に行っている」と結論づけた。

ギルクリース氏は続けて、第二次世界大戦中の残忍な人権侵害を受け成立した世界人権宣言の背景から、今なお続く臓器狩りという医療犯罪に対し、すべての人ができることを行うべきだと訴えた。「自分なら何ができるか、何をすべきか、声を上げているか。これらは自らの心に向けた問いである」と締めくくった。

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