H5型高病原性鳥インフルエンザが南極地域でさらに拡散し、野生生物に甚大な被害を及ぼす公算が大きくなっていることが、国際獣疫事務局(WOAH)と国連食糧農業機関(FAO)の専門家らで構成するOFFLUが21日公表したリポートで明らかになった。写真は皇帝ペンギンの群れ。南極で2012年撮影。(2023年 ロイター/Martin Passingham/File Photo)

鳥インフルが南極で拡散、野生生物に甚大な被害の恐れ=報告

Sybille de La Hamaide

[パリ 21日 ロイター] – H5型高病原性鳥インフルエンザが南極地域でさらに拡散し、野生生物に甚大な被害を及ぼす公算が大きくなっていることが、国際獣疫事務局(WOAH)と国連食糧農業機関(FAO)の専門家らで構成するOFFLUが21日公表したリポートで明らかになった。

伝染力の強い鳥インフルが遠く南極地域に広がったことで、これまでウイルスにさらされたことのないペンギンやアザラシなど隔離された場所の群で感染の懸念が高まっている。

10月8日には英海外領サウスジョージア・サウスサンドイッチ諸島バード島のカモメの一種から同ウイルスを検出。ほぼ同時期にフォークランド諸島近辺のフルマカモメとアホウドリからもウイルスが検出された。

OFFLUは、鳥インフルウイルスが南極の野生動物の間で広がり、この地域に生息する鳥類48種と海洋哺乳類26種に感染の恐れがあると警告。何千頭ものアザラシと数十万羽の鳥類が密集したコロニーで生息しており、感染が広がって高い死亡率をもたらす可能性があるとした。

また南極における鳥インフルは、特に絶滅の危機に瀕している皇帝ペンギンにとって脅威で、ウイルスが皇帝ペンギンのコロニーに侵入すれば群全体に感染が広がる可能性があるという。

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