ソウル税関は韓国企業のCEOと幹部らを米国製チップを中国に密輸した疑いで逮捕した( KIM JAE-HWAN/AFP via Getty Images)

中共が禁制の米国製チップを韓国企業を通して密輸

韓国の金融メディア「ビジネス・コリア」は、ソウル税関が1月25日、電子部品を海外に販売する韓国企業A社の最高経営責任者(CEO)らが米国製チップを中国に密輸した疑いで逮捕したと報じた。中国企業が韓国を利用して米国製チップを入手したケースが発覚したのは今回が初めて。

税関職員によると、A社は韓国の通信機器開発会社を通じて輸入チップを購入していた。その中には韓国国内使用目的にのみ輸入が義務付けられている戦略品目に分類されるチップも含まれていた。

A社は2020年8月~2023年8月にかけて、購入した米国製通信チップを再包装してサンプルに偽装し、税関に届け出ることなく144回にわたり空輸で中国に密輸した。これらのチップは大量破壊兵器の製造に使用される可能性があるため、韓国政府から輸出許可を得られていなかった。

調査の結果、A社が密輸したチップは合計9万6千枚で、約139億ウォン(約15億4千万円)に相当する。そのうち5万3千枚が戦略物資に分類され、その価値は118億ウォン(約13億円)とされる。

米国は2022年以降、中共(中国共産党)の技術覇権への野望を抑えるため、中国に対してチップの輸出を全面的に制限してきた。この制裁は中国の技術部門に多大な圧力をかけている。

中国企業は重要部品の入手が困難で、「積み替え」によって第三者企業によって購入するなど、さまざまな違法手段に頼らざるを得ない状況だ。

検証されていないネット情報によると、中国ネット上で「愛国的な」密輸者が募集されている。密輸者らは中国南部の国境を越え、東南アジア諸国から中国へチップをリュックサックで輸送している。

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