法務省は2023年末、国内で2例目となる法輪功学習者の難民認定を行なった。資料写真。(MARODG/PIXTA)

【独自】法務省、法輪功学習者を難民認定 国内で2例目

法務省が2023年末、日本在住の中国人法輪功学習者を難民として認定したことがわかった。国内では2例目となる。NPO法人日本法輪大法学会は取材に対し、「中国国内での法輪功修煉者への迫害の酷さが、事実として理解していただけたのではないか」と語った。

難民認定されたのは、中国南部出身の祝さん(仮名)。10数年前、年末年始の休暇を利用して来日したが、滞在期間中に中国の自宅が強制捜査を受け、帰国できずにいた。現在は高齢のため、家族の元に身を寄せている。

祝さんの家族によると、中国の警察は祝さんの自宅のドアを破壊して侵入。法輪功に関連する資料を探す捜査官は、室内を乱暴にあさった。「(祝さんが暮らしていた)地域に法輪功学習者はあまりいなかったため、逮捕となると、警察は宝物を見つけたように駆けつけた」という。中国共産党は法執行機関に法輪功迫害へのインセンティブを与えるため、法輪功学習者を捕まえるたびに「報奨金」を支給しているとの情報もある。

日本政府はこれまで、法輪功の活動のなかでまとめ役を果たす法輪功学習者は必ずしも中国共産党のターゲットにならないとの観点を示してきた。そうしたなか、そういった役割になかった学習者である祝さんが難民として認められたことは、象徴的な出来事として考えられている。

NPO法人日本法輪大法学会の稲垣兼太郎会長は大紀元の取材に対し、「日本では、難民申請が認められるケースはごくまれ」とし、認定は「中国共産党の私たちに対する横暴さを認識したことの表れだと思う」と述べた。

中国共産党による法輪功迫害は1999年から始まり、信仰を放棄させるための拷問や虐待、臓器の強制摘出(臓器狩り)が今日も中国本土で行われている。さらに、中国共産党は海外でも弾圧や嫌がらせを行うため、秘密警察署を各国に設置するほか、大使館や工作員を使った世論工作を展開している。

国際社会は中国共産党による法輪功迫害を厳しく非難してきた。欧州議会は1月18日、中国共産党による法輪功学習者への迫害を非難する決議を採択した。これには日本の議員も声を挙げ、「人類史上最悪のジェノサイドに見て見ぬふりをしてはならない」と訴えた。

稲垣氏は「中国国内での法輪功修煉者への迫害の酷さを、ぜひ事実として認定してほしい」と語った。「今後も多くの人々に真相を知ってもらえるよう努力していきたい。不当な迫害がなくなり、自由に修煉に打ち込める日が早く到来することを願うばかりだ」。

注:中国共産党による監視や嫌がらせ等のリスクが高いため、取材対象者のプライバシーの詳細な記述は控えております。

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