旧正月の帰省者数が激減 最大の原因は「旅費の高騰」と「収入の減少」=中国
今年の旧正月(元旦は2月10日)をはさむ長期休暇の帰省人数は、例年に比べて激減していることがわかった。
中国経済全般における不景気のあおりで、失業や給与の削減、さらには給料未払いが長期にわたるなどのマイナス要因に加え、移動にかかる交通費の大幅な値上げなどがその原因であるという。
日本の各メディアに映るのは、旧正月の休暇に帰省する人々の混雑ぶりや、海外旅行で来日する観光客の多さであるかもしれない。しかし、その一方で、中国SNSには「今年は、とても新年を祝う金もないし、お祝いの気分にもならない。だから帰省したくない」という声も溢れている。
SNSに投稿された動画のなかに、ある「静かな」河南省の村があった。この村では、出稼ぎに行った若者たちの多くは帰省していない。
また、別の動画のなかでも、東北地方のある村のなかに、高齢者ばかりしかいない村があった。
今月14日、広東省広州市に住む陳さんは、NTD新唐人テレビの取材に対して「今年の冬は東北地方では特に寒く、感染症も深刻で、多くの人が亡くなった。そのうえ、航空運賃の値上げなども重なった。そのため、旧正月でも帰省しない人が本当に多い」と明かした。
「例年ならば100元ほど(約2千円)の飛行機チケットが、今年は5倍の500元余りになっている。今は皆、お金がないんだ。私も例外ではない。とても年越しを祝う気分ではないよ」と語る陳さんは今年、ついに帰省しなかった。
河南省鄭州市に住む侯さんも、NTDの取材に対し「鄭州は発展しているほうに入るが、失業者も多い。ここへ出稼ぎにやってきた労働者のなかには、給料をもらえていない人もいる。毎日の食事すらままならない彼らに、正月に帰省する余裕などとてもない」と話した。
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