。一部アメリカの若者は、トランプ前大統領こそが経済的な困難を解決する答えだと信じている。(Photo by Brandon Bell/Getty Images)

トランプ氏、若者の支持拡大 インフレとウクライナ支援が原因

若者の支持率の減少は、バイデン大統領の再選にとって大きな懸念事項となるかもしれない。一部アメリカの若者は、トランプ前大統領こそが経済的な困難を解決する答えだと信じている。バイデン氏は高齢や、ガザ地区の紛争への対応で、若い有権者の支持を失ってしまったようだ。

23歳のイサイア・ターナーさんは、2020年の選挙ではトランプ氏に投票した。彼はトランプ氏の石油掘削に対する支持、銃規制反対の立場、そして不法移民への厳しい姿勢を支持している。

ロイターとフランス・パリに本社を置く多国籍市場調査コンサルティング会社イプソスの3月の調査によると、18~29歳のアメリカの若者の中でバイデン大統領を支持する割合は、トランプ氏を支持する割合よりもわずかに3ポイント高いにとどまっている。

ハーバード大学ケネディスクールの政治研究所が4月18日に公表したハーバード大若者世論調査(Harvard Youth Poll)によると、18~29歳のアメリカの若者を対象にした結果、バイデン氏が45%対37%の支持率でトランプ氏をリードしている。

もし11月の大統領選でトランプ氏が若者層の支持を維持することができれば、それは大きな前進と言えるだろう。2020年の選挙では、バイデン氏は若者票を大差で獲得し、トランプ氏に24ポイントのリードを保っていた。

バイデン大統領の高齢とウクライナへの支援が原因で、多くの若者の支持を失っている。また、ラテン系の有権者からの支持も低下している。

バイデン大統領が学生ローンの免除、公営集合住宅の提供拡大、そして中絶権の支持を打ち出して若者票を獲得しようとしている。にも関わらず、アメリカの若者たちは共和党に傾いている傾向が見られる。

ロイターとイプソスの共同調査によると、18~29歳のアメリカ人の共和党支持率は着実に上昇しており、2016年の24%から2020年には26%に、そして今年には28%に増加している。

4月2日には、3千人のトランプ支持者が寒さや雪の中、グリーンベイのコンベンションセンター外でトランプ氏の登場を待ちわびて列をなした。中高年の姿が目立ったが、数百人の若者も参加していた。

30歳以下の若者20人がロイターのインタビューに応じ、そのうち15人はインフレーションをはじめとする経済問題がトランプ氏支持の理由だと答え、他の多くの若者はトランプ氏の移民政策に重きを置いていることを明かした。

26歳のスティーブ・ウェントさんは、近所の病院で警備員を務めている。「給料は悪くないが、現在の収入では家を買うことができない。物価を下げることができる人物を再び指導者にする時期だ」と述べた。

全員が、トランプ氏が抱える4つの刑事訴訟が彼らの投票選択には影響しないと明言している。その中の1人は黒人で、他の19人は白人だった。

一方、いくつかの世論調査では、バイデン氏はまだ多くの若者から支持を得ていると示している。たとえば「エコノミスト」/YouGovの先週の調査では、30歳以下の有権者の51%がバイデン氏を支持し、トランプの支持率は32%だったとしている。

しかし、若い有権者の政治的傾向に変化が起きている可能性を示す証拠が増えている。

マリスト・カレッジ(カトリック系の女子校)の最新の調査では、トランプ氏がミレニアル世代とZ世代の有権者の間で2ポイントのリードをしており、18~29歳の有権者の61%がバイデン政権の政策を認めない意向を示している。

共和党全国委員会のスポークスウーマン、アンナ・ケリー氏は次のように述べた。「多くのアメリカ人と同様に、若者たちも家賃やガソリン代、食料品を買う余裕がなく、実質賃金が急落するなか、家を買うのにも苦労している」

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