下院でも共和党が多数派に 「トリプルレッド」が実現 トランプ次期政権に追い風

2024/11/14 更新: 2024/11/14

13日、共和党が上院に続いて、下院でも多数派となることが確実になった。大統領と上下両院を共和党が掌握する「トリプルレッド」体制が確立されることとなった。

米大統領選で、トランプ氏が次期大統領に当選し、ホワイトハウスに返り咲いた。上院でも共和党が53席を獲得している。これにより、トランプ次期政権の政策決定がスムーズになり、共和党よりの政策が実現しやすくなっていくと予想される。

マイク・ジョンソン下院議長は12日の記者会見で、共和党の勝利を「決定的」と評したうえで、「ワシントンでは新しい日が始まった。アメリカでは朝が来た」と述べ、喜びをあらわにした。

「トリプルレッド」が実現するのは、2016年以来だ。2020年の米大統領選および米議会選では、「トリプルブルー」となっていた。

2016年の「トリプルレッド」は、今よりも共和党内は一枚岩ではなかった。下院議長ポール・ライアンや上院多数党院内総務ミッチ・マコーネルなどの共和党の重鎮は、トランプ氏に対して批判的な姿勢を見せていた。

「トリプルレッド」現実に トランプ次期政権に追い風

政策推進の円滑化
トランプ政権が掲げる政策、例えば税制改革、規制緩和、移民政策の見直しなどを進める際に、上下両院での承認が得やすくなる。これにより、通常であれば議会での折衝に時間がかかる法案も迅速に通過する可能性が高まり、政策実現のスピードが向上する。

行政権限の強化
トランプ次期政権は、重要な人事や予算の配分など、議会の承認が必要な事項についてもスムーズに進めやすくなる。特に、上院が多数派であれば政権に有利な最高裁判所判事や連邦裁判官などの任命が円滑に進み、行政の長期的な影響力を強化できる。

対立構造の緩和
政権と議会が同一の政党であるため、党内の意見調整のみで政策を進めることが可能である。対立政党による妨害や修正のリスクが軽減されるため、特定の争点での政策実行がより確実に進むと期待される。

外交・安全保障分野の自由度向上
共和党多数派の議会は、トランプ政権の対中強硬政策や中東での安全保障に関する立場を支持しやすくなる。これにより、トランプ氏が掲げる「アメリカ第一」の外交政策を迅速に進められる可能性が高まる。

経済成長に向けた基盤強化
税制改革や規制緩和、インフラ投資など、トランプ政権が目指す経済成長政策の実行が迅速化する見込みである。共和党の議会支援により、企業活動の活性化や雇用の創出が進み、短期的に景気の刺激効果が見込まれる。

共和党の「トリプルレッド」体制は、トランプ次期政権にとって政策実行の追い風になる見通しだが、共和党内での政策調整や意見の対立が発生した場合、政策推進に支障をきたすリスクもある。

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