築200年の荒れ果てた家を購入し、5年かけて新しい命を吹き込んだ米国イリノイ州の夫婦は「それだけの価値があった」と言います。
元救急救命病棟の看護師ミーガン・グランチャンプさん(35歳)と夫で警察官のクリストファー・グランチャンプさんは現在、1843年に建てられたこの物件に3人の子供たちと住んでいます。リフォームの経験がないにもかかわらず、一家は30万ドル(約4600万円)と多くの時間を費やし、このプロジェクトを実現させるという挑戦に挑みました。
「私たちは、どんなことが待ち受けているのか想像もできませんでした」とグランチャンプ夫人はエポックタイムズに語りました。「築200年のこのような家を改装すれば、いろんな驚きがあるものです」
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すべては2019年、グランチャンプ夫人が遊び半分で家を探していたときに始まりました。
「住んでいたヨークビルから約10~15分の距離にあるオスウィーゴで、偶然この家を見つけたんです。その日のうちに内覧に行き、その夜に購入を決めました」
家はもともと1843年にジョン・ヘムという石工によって建てられたもので、1900年代に増築されました。
しかしヘム家が大切に維持してきた家も、25年前にある夫婦がこの土地を購入したことで、荒れ果ててしまったといいます。
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夫が亡くなり、妻一人で家を維持してくことが難しくなったことが原因でした。
「とても荒れ果て、草が生え腰の高さ位まで伸びていました」とミーガンさんは振り返ります。「敷地の境界線すらよくわかりませんでした。雑草が生い茂っていたため、敷地がどこまでなのか見えなかったのです」
家の中はより悲惨な状態でした。
「屋根は雨漏りしていました。実際に点検してもらったら、すべてが正常でないことがわかったんです。ですから、照明、配管、エアコンなど、すべてを一新する必要がありました」
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問題だらけの家でしたが、グランチャンプ夫妻はこの古い家での明るい未来を思い描いていました。
「とにかく素晴らしいです。すべてが手作りだとわわかります。現在このように建てられている新築の家はないでしょう」
特に敷石や大きな窓枠、敷地内の大きな工房に魅了されたと言います。
「私は古いものが大好きなの。絶対に新築より古い家を選ぶわ」
家の改築
しかし、ボロボロの家を改造し、快適な生活を送るまでには長い道のりがありました。
生後5か月の赤ちゃんがいたため、家を安全で快適に暮らせる状態にしなければならなかったといいます。
グランチャンプ夫妻は建築分野で技術を持つ家族に助けを求め、新しい家に新しい命を吹き込もうと奮闘しました。
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住むことを可能にするために、まず家の半分に取り掛かり、それからもう半分に取り組みました。
「私たちは家の半分に住み、半分を解体して改造しなければなりませんでした。そして、その半分が終わると、残りの半分に取り掛かりました。キッチンを改造し、バスルームや寝室、子供部屋もリフォームしました。これらが完成するには5年かかりました」
リフォームが進むにつれ、虫やネズミのふんからアンティークの建具まで、さまざまなものが見つかって驚いたと言います。
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「面白かったのは、(家が建てられた当時)電気がなかったので、壁にランタン用の接続口があったことです。すべての部屋にラジエーターもありました。彼らはラジエーターで暖を取っていたのです」
「古い靴や、グラフィックデザインが施されたネズミ捕りなどのヴィンテージものが見つかりました」
グランチャンプ夫妻にとってもうひとつの興味深い発見は、海外に休暇に行っていた差出人のハガキが壁に貼ってあったことです。そのハガキは、この家に住んでいた誰かに宛てたものでした。
「このような家を発見し再建する際には、いろいろなものが出てくるものです。でも、すべて改装する必要があるとわかっていたので、そこまで驚くことはありませんでした」
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内装などはすべて取り替える必要がありましたが、基礎の大部分は残すことができたと言います。
「基礎工事には多くの費用がかかりますが、1843年の建築技術は大したものです」とグランチャンプ夫人。「私たちの家の基礎を検査した専門家によれば、(基礎は)素晴らしい状態で、完全に傾きなく水平のままだでした。私たちが追加する必要があったのは、水が染み込むのを防ぐための排水タイルだけです」
グランチャンプ夫妻にとっての一番の楽しみは、間違いなく最後の仕上げでした。
愛情を込めて修復した2階建ての家には、リビングルーム、大きなキッチンとダイニングルーム、4つのベッドルーム、2つのバルコニー、ロフト、屋根裏部屋があります。
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「家がほぼ完成したので、現在設計会社を設立しているところです。庭に関しては、コンクリートのパティオがあったので、プールハウスを作っています。マザー・イン・ロウ・スイート(プライバシーが保たれる部屋)のようなものです。寝室もキッチンも用意する予定です」
「デザインについては、オープンな空間にすることを意識しました。(この家が建てられた)当時は閉鎖的な間取りが一般的だったので、開放的な空間に仕上げました」
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5年間の経験を振り返って、グランチャンプ夫人はこう言います。
「私たちは確かに無知でした。でも、完成した家の写真を撮ったときにやっと報われたと思いました。取り壊しや節約などの苦労も、すべてが完成したときには吹っ飛んでしまいました」
グランチャンプ夫妻は今、愛情と情熱を注いだ家で過ごす時間を満喫し、特に窓枠に座るのが大好きだとい言います。
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最も感動したことは、リフォームに関わってくれた人々や、この家に以前住んでいた元所有者の女性と今でも連絡を取り合う関係を築けたことです。
「彼らは何度もここに遊びに来てくれています。家が生まれ変わったのを見て、とても気に入ってくれたし、感謝してくれました。彼らはもうお年で、この家をもう一度買って改装することはできないので、この喜びを分かち合えることはとても幸せです」
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