5月21日、マンハッタンの刑事裁判所にて、トッド・ブランチ弁護士(右)とともに入廷前に報道陣に対応するドナルド・トランプ前大統領。(Justin Lane-Pool/Getty Images)

FBIはトランプ氏私邸の家宅捜査でSSとの「交戦」を備えていた 銃を所持=開示文書

21日に新たに開示された文書によると、2022年にトランプ前大統領の私邸を家宅捜査した連邦捜査局(FBI)の捜査官が、米大統領警護隊(シークレット・サービス)との「交戦」に備えていたことが分かった。

フロリダ州の邸宅兼高級リゾート「マールアラーゴ」を家宅捜査する計画の中で、FBI捜査官は、家宅捜査の時間帯にトランプ氏が帰宅した際に、トランプ氏と同氏を警護するシークレットサービスと「交戦」する用意をしていたと記していた。

もしシークレット・サービスが「FBIの捜査などに抵抗を示したり、妨害したり」した場合、FBI職員が特定の人物(名前と役職は伏せられている)に連絡を取ると文書には記されている。

また、マールアラーゴを訪れた人物リストの提出を拒否した場合、FBI捜査官は、「各部屋のドアをノックして状況を確認する」とも記されている。捜査官はマールアラーゴの見取り図を要求し、ピッキングツールの持参も準備していた。

また、メラニア・トランプ氏の寝室や「子供部屋のスイートルーム」での写真を含む、数多くの写真を撮影していた。

この文書は21日に、トランプ氏に対する刑事訴訟の証拠開示を通じて提出された。

これに対し、トランプ氏の弁護団は申し立ての中で、捜索範囲がジム、キッチン、寝室にまで及んでいたことを挙げ、家宅捜索は「家を彷徨うようなもので、極めて不適切だ」と指摘した。

政府関係者は、パスポートやその他の資料を不当に押収したことを認めている。

さらに、文書には「法執行官は、捜査対象の人物が警察官または他人に対して致死または重大な身体的傷害が差し迫り、危険をもたらすと判断した場合、殺傷力を行使することができる」という政府の方針が引用されていた。

文書によれば、FBIはまた医師と救急隊員を家宅捜索に同行させ、令状の執行中に負傷者が出た場合に備え、最寄りの外傷センターをリストアップしていた。捜査官は標準装備の武器、弾薬、手錠、バッジも装備し、中型と大型のボルトカッターも持参していた。

トランプ氏の弁護士によれば、FBIがマールアラーゴに銃を持ち込む法的根拠はないという。

トランプ氏の弁護団は「シークレットサービスが警備している施設での書類所持に関する申し立てで、捜査官の安全を脅かすようなこともなく、危険もなかった」と述べている。

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