台湾で愛される世界最高級の果実（shige hattori / PIXTA）

がん予防から安眠まで：マンゴーの驚きの健康効果

2024/05/25
白玉煕

マンゴーはインドでは古くから神聖な果物とされており、その健康効果は現代の研究でも認められています。特に、がん予防や心臓病のリスクを減らす効果、糖尿病の合併症の予防、そして安眠を促すことが注目されています。

最近では、とろける甘さとジューシーさによりアップルマンゴーの「アーウィン種」、通称愛文マンゴーが世界中で高い人気を得ており、健康的な食生活を意識し、取り入れる人が増えています。しかし、このマンゴーの性質を理解せずに食べると、体質に合わない場合がありますので、注意が必要です。

マンゴー：がん予防、糖尿病の合併症を防ぐ

最新の研究によると、マンゴーに含まれるビタミン、カリウム、マグネシウムなどは血圧を下げ、心疾患のリスクを減らすのに役立つとされています。また、マンゴーに豊富に含まれるβ-カロテンやその他の化合物は、心臓病や脳卒中、糖尿病などの慢性疾患を予防するのに有効的です。

特定の研究では、マンゴーが肺がんや大腸がん、乳がんの予防に役立つ可能性があることが示されています。また、マンゴーから抽出された成分が乳がん細胞の増殖を抑制することが確認されています。

さらに、「ヨーロッパ薬理学雑誌」に掲載されたラットを使った研究では、マンゴーが記憶障害の予防や改善に役立つのではないかと示されています。これにはアルツハイマー病などの認知症が含まれます。ハーバード大学公衆衛生学部の報告によると、マンゴーに含まれるビタミンB6が認知機能の衰えを遅らせるのに役立つことも分かっています。

マンゴーをサラダにするのもおすすめです。（ vaaseenaa / PIXTA）

マンゴーには、低脂肪やダイエット、アンチエイジング、免疫力の強化、抗ウイルス効果、抗炎症作用など、多くの健康メリットがあります。しかし、これらのメリットを得るためには、体質に合わせて適量に摂ることが大切です。過剰にとると、胃腸に負担をかけたり、体内のエネルギーの流れが乱れたりする可能性があるため注意が必要です。

おすすめの召し上がり方

マンゴーは非常に美味しく、多くの健康効果があるため、つい食べ過ぎてしまうことがあります。しかし、どの食べ物でも食べすぎはよくありません。特に、マンゴーは「寒性」の果物で、体を冷やすため、食べ過ぎると胃腸の働きが弱まり、消化不良や下痢を引き起こすことがあります。

生姜茶と組み合わせて、睡眠を助ける

まもなく蒸し暑い夏がやってきます。マンゴーはまさに夏に最適の果物と言えるでしょう。ジューシーで甘酸っぱいマンゴーは食欲を刺激し、水分を補給してくれます。

また、マンゴーはビタミンB6を豊富に含んでおり、これが睡眠を促すホルモンであるセロトニンの生成を助けるため、良い睡眠をとるのに役立つとされています。さらに、マグネシウムも豊富で、これが不眠症の改善に効果的です。

しかし、夏場は体の外側よりも内側が冷えやすくなるため、冷たいマンゴーを大量に摂取すると、胃腸を痛めてしまい、食欲不振や消化力の低下を招くことがあります。特に胃腸が弱い人は、冷たい食べ物を避け、腹痛や下痢を防ぐことが大切です。

暖性の食べ物と一緒に食べて、マンゴーの寒性をやわらげましょう。（vanillaechoes / PIXTA）

長期間にわたってマンゴーを過剰に摂取すると、皮膚に湿疹やアレルギー反応が現れることがあります。このため、マンゴーを食べた後は、体を温める効果がある生姜茶を飲むことをおすすめします。これにより、胃腸を守り、体内の不要な湿気を排出してくれるでしょう。

食べ物はバランスよく摂ることが大切です。アレルギーが心配な方は、医者のアドバイスを受けるようにしましょう。

愛文マンゴー：台湾で愛される世界最高級の果実

台湾産の愛文マンゴーは、その濃厚な甘みと芳醇な香り、そして口の中でとろけるような食感が特徴です。

アップルマンゴーの「アーウィン種」で通称愛文マンゴーという（hungryworks / PIXTA）

愛文マンゴーはもともとアメリカ・フロリダ州原産で、1950年代に台湾の台南県玉井郷に持ち込まれました。大きくて繊維が少ないこの果実は、地元の果樹農家である林常山氏によって、台湾の土着のマンゴーと接ぎ木されて育てられました。その後、1960年代には生産量と品質が安定し、「アーウィン」の当て字の「愛文」と名付けられ、台湾で愛されるようになりました。