ガーダシル関連の重篤傷害のエビデンスを収集 その存在は否定できない

子宮頚がん予防のHPVワクチン接種後の明らかな重症事例(上)

連載記事「HPVワクチンは両刃の剣か?」第2章

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは、子宮頸がん予防の主な手段として医師から推奨されており、医師をはじめ多くの人々がリスクは存在しないと信じています。ワクチンとの明確な関連性が証明された症例はないと考えているからです。本当にそうでしょうか?HPVワクチンは素晴らしい予防効果を約束するのでしょうか?それともベネフィットに勝るリスクを持った両刃の剣なのでしょうか? 

この連載では、HPVワクチンの一種であるガーダシルに関連する死亡や重篤な障害について、エビデンスとなる文書を提供し、その有害性の原因を分析し、解決策を提示します。

第1章:子宮頚がん予防のHPVワクチン接種後の明らかな死亡事例(上)

第3章:子宮頸がん予防のHPVワクチンに含まれる否定しようのない毒性成分(上)

第4章:HPVの背後にいる子宮頸がんの真犯人とは(上)

第2章では、今まで開発された中で最も効果的なワクチンのひとつとされるHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種後に、それまで健康だった子供たちが、死亡はしなかったものの重篤な傷害を負い、普通に生活する能力を失ってしまったことに関して、エビデンスとなる文書を紹介していきます。

ガーダシルは2006年に米国、ドイツ、デンマークで、2007年にオーストラリアで発売されました。

以下の症例は、医師や医学論文、映画制作者によって記録されたものです。私たちがHPVワクチンに関連する傷害のメカニズムをまとめ、体系的に分析することができたのは、彼らの丹念な仕事のおかげです。

「ポーラはもういない」

ポーラ・アルデアさんは普通の健康な少女でしたが、HPVワクチンを接種して以来歩けなくなり、今では車椅子に頼っています。「私たちのポーラはもういません」と彼女の父は語ります。

これはエポックタイムズのドキュメンタリー『アンダー・ザ・スキン』に基づく実話です。2022年5月26日、ポーラさんは初めてHPVワクチンを接種しました。彼女がバス停で泣きながら、「早く迎えに来て」と父親に電話で頼んだのは、それから一月後の6月25日午前10時25分のことでした。

彼女の背中には耐え切れないほどの痛みが走り、しびれてきました。ポーラさんと父親は救急治療室に直行し、カイロプラクティックのエクササイズを受けた後、数時間で回復すると言われて家に帰されました。しかし、午後3時に今度は母親から父親に電話が入ります。「早く帰ってきて、ポーラの体はもう何も感じない 」

ポーラさんはその時のことをこう振り返っています。「今まで経験した中で最悪の痛みだったと思います。それからあの痺れのキツさは分かってもらえないと思います。歩けないほどです。この先どうなるか、今どういう状態なのか、何もわかりません。入院しなければならないと言われたときでさえ、よく分かりませんでした」

母親はこう振り返っています。「ポーラがベッドに横たわっているとき、上級医がやってきて、最近感染症に罹ったかと尋ねたんです。私たちは否定しました。彼女には胃の病気もなく、インフルエンザのような感染症にも罹っていませんでした。いつでもとても健康でした」

「それから、予防接種を受けているかどうか聞かれました。彼女は予防接種を受けていました。どの医者を尋ねても、2番目か3番目の質問は『最近予防接種を受けましたか?』でした」

ポーラさんの被害がHPVワクチンによるものであることは、当局が公式に認めており、彼女は毎月福祉資金を給付されている。歩行困難の原因は、脊髄のミエリンに対する免疫細胞の激しい攻撃、つまり自己免疫反応によるものと思われます。

ポーラさんの例は氷山の一角にすぎません。ガーダシル注射後に歩けなくなったり、目が見えなくなったりするなど、障害を負う例は数多くあります。

2022年9月23日にエポックタイムズが発表したドキュメンタリーより、HPVワクチン接種後に障害を負ったポーラ・アルデアさんは、現在は車椅子に頼っている。(The Epoch Times “Under the Skin” documentary
2022年9月23日にエポックタイムズが発表したドキュメンタリーより、車椅子ごと2階へ運ぶ電子機器を使用するポーラさん。(The Epoch Times “Under the Skin” documentary)

アメリカで16歳の少女が失明

2010年には、コネチカット州ハートフォードにあるコネチカット小児医療センター小児科のフランシス・ディマリオ・ジュニア医師が、ハートフォード病院神経科のミルナ・ハジャール医師、トーマス・シーシエルスキ医師とともに、HPVワクチン接種後に同程度の重症度を示した症例をJournal of Child Neurology誌に報告しています。

2010年2月25日付のJournal of Child Neurology誌に、HPVワクチン接種後に視力を完全に失った16歳の少女の症例が報告された。 (Journal of Child Neurology, Volume 25)

それまで健康だった16歳の少女が、2回目のHPVワクチン接種から10日後に、48時間かけて急速に進行する著しい視力低下を経験しました。初めは右目の視力低下とともに左側の頭痛を経験しました。その後24時間以内に症状は悪化し、左目の視力も低下し、頭痛も広がりました。左側に軽い脱力感もあったといいます。

脳の視神経が交差する部分に炎症と腫れがあることが、MRIで分かりました。目の後ろの視神経にも影響がありました。脳の右後方に腫瘤が見つかり、後に脳の炎症の一種であることが判明しています。この炎症によって、脳の周囲が液体で満たされました。脳の腫瘤についてさらに詳しく知るために、一部を取り出して顕微鏡で観察したところ、保護膜であるミエリン鞘を失っていることがわかりました。

少女は視神経接合部と脳の一部の脱髄疾患と診断されました。視神経の損傷は軽微ではなく、むしろ重大なものであったため、48時間以内に片目からもう片方の目まで視力低下が急速に進行したのです。

3ヵ月後、彼女は脱力感から回復しましたが、視力は18ヵ月経っても回復しませんでした。彼女には依然として深刻な視覚障害があり、左目だけで光や動きを識別できたりできなかったりする状態です。

ドイツで20歳の女性に重度の脳疾患

頭痛、吐き気、嘔吐、複視を患った20歳の女性は、ガーダシルの2回目の予防接種から28日以内に発症した重症脳炎と診断されました。この症例は、米国神経学会の機関誌であるNeurology誌に2009年に報告されました。

2009年6月16日付のNeurology誌に報告された通り、20歳のドイツ人女性が、ガーダシル2回目予防接種後28日以内に発症した重篤な脳疾患と診断された。(Neurology)

この症例はドイツのハイデルベルク大学の5人の神経学専門家によって報告されました。彼らは論文の中で、彼女の劇的な神経系症状と、浮腫や出血を含む一貫した脳画像異常は、「急性散在性脳脊髄炎」と呼ばれる重篤で急速に進行する脳疾患を示唆していると結論づけました。

この病気の主な特徴は、免疫攻撃によって脳神経細胞の周囲の保護膜が失われることです。

論文によれば、彼女は以前は健康であり、以前に感染症に罹患していたわけでもなく、他の要因もなかったといいます。著者らは、この若い女性の脳疾患はガーダシルを介した免疫の過剰活性化によって誘発されたと結論づけました。

エポックタイムズのシニアメディカルコラムニスト。中国の北京大学で感染症を専攻し、医学博士と感染症学の博士号を取得。2010年から2017年まで、スイスの製薬大手ノバルティスファーマで上級医科学専門家および医薬品安全性監視のトップを務めた。その間4度の企業賞を受賞している。ウイルス学、免疫学、腫瘍学、神経学、眼科学での前臨床研究の経験を持ち、感染症や内科での臨床経験を持つ。