米国主導のインド太平洋戦略に対抗して、中国共産党はロシア、ベラルーシと「グループ化」してNATOに対抗しようとしている。 画像は2020年9月25日、ロシア、ベラルーシ、中国が参加した軍事演習「コーカサス2020」の終了時の様子。 (Dimitar Dilkoff/AFP via Getty Images)。

中露とベラルーシ、欧州で軍事演習 NATOとインド連携を強化

7月8日から19日にかけて、中国共産党(中共)とベラルーシはNATO加盟国ポーランドと国境を接する地域で、11日間の「反テロ」演習を実施した。この動きは広く中共によるNATOへの挑発と見なされている。台湾の学者は、これは中共がアメリカ主導のインド太平洋戦略に対抗するため、ロシアとベラルーシと連携して「グループ化」方式でNATOに対抗する試みであると指摘している。

NATOのワシントン・サミットでは、中共をロシア・ウクライナ戦争の「決定的な推進者」とし、国際秩序の破壊者と位置づけ、「インド太平洋4か国」との協力を強化することが確認された。一方、中共はベラルーシおよびロシアと共に、NATOの目の前やアジア太平洋地域で軍事演習を行い、対抗の姿勢を示している。専門家は、NATOが中共を戦略的脅威と見なしている一方、中共の戦略的失敗がアメリカの戦略的覚醒を促したと指摘している。

32か国が加盟する北大西洋条約機構(NATO)は7月10日、「ワシントン・サミット宣言」を発表し、ロシアのウクライナ侵攻を非難するとともに、中共が「ロシアによるウクライナへの戦争の決定的推進者」として国際秩序を破壊し、NATOの利益、安全保障、価値観を継続的に脅かしていると厳しく批判した。

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