2024年8月27日、アメリカインド太平洋軍のサミュエル・パパロ司令官は、米国とフィリピンの防衛条約に基づき、アメリカ軍がフィリピンの船舶に護衛を提供することは十分に理にかなった選択であると明言した。写真は、マニラの大統領官邸にてフィリピンのマルコス大統領とパパロ司令官が会談している様子を捉えている。(Francis R. Malasig/POOL/AFP)

中比衝突のエスカレーション、米軍司令官 フィリピン船の護衛は合理的な選択

南シナ海での緊張が高まる中、フィリピンは補給活動中、中国衝突が増加している事実がある。この地域の不安定さに対処するため、アメリカのインド太平洋軍司令官サミュエル・パパロ(Samuel Paparo)海軍大将は、フィリピンの船舶を護衛することが合理的な選択肢であると述べた。この動きは、既に緊張が高まっている米中関係にどのような影響を及ぼすのであろうか。

もし米比が護衛に関して合意に至れば、すでに緊張が高まっている米中関係に更なる緊張を引き起こす可能性があると考えられる。

軍事フォーラムでのスピーチ中、パパロ司令官はアメリカがフィリピンの船舶を護衛することを検討しているかどうかの質問に対して、「確かに、話し合いを通じて、相互防衛の一環として船舶護衛は、米比共同防衛条約においても全く妥当な選択である」と述べた。

今年の5月3日、パパロ司令官はジョン・C・アクイリノ氏からインド太平洋軍の指揮権を引き継いだ。マルコス大統領は新司令官の訪問を歓迎し、「これからも定期的にお会いできることを期待している」と述べた。8月27日には、マルコス大統領がパパロ司令官と面会し、将来的には、さらに、より頻繁に対話を行うことになるといった。

パパロ司令官は、米国との強化された防衛協力協定(EDCA)に基づき、複数の施設を訪問する予定である。これにより、米国代表団はフィリピンの実情を直接把握する機会を持つことになる。

フィリピンの国防長官、フィリピン・アメリカ防衛条約の解釈拡大を求める

中国共産党の海上警備隊、海軍、および民兵と見られる船が、フィリピンの船が補給活動中にたびたび衝突し、フィリピンの海兵隊員が負傷したり、船が損傷する事故が発生している。先週、南シナ海で中国とフィリピンの間の緊張が一層激化し、海上や空中での衝突が連続して起こった。

8月25日に起きた船舶衝突事故では、フィリピンは、漁民に届ける食料、燃料、医療品を積んでいたフィリピン漁業局の船に中国の船が衝突したとして非難した。さらに、フィリピンは中国が水砲で船を攻撃したことにも強く抗議している。対照的に、中国共産党はフィリピンの船が意図的に中国の海警船に衝突したと主張している。

この緊張のエスカレートは、フィリピンがアメリカとの相互防衛条約に基づいて行動を共にするかどうかを問うものである。フィリピン軍の最高司令官は「可能な限り自力で対応するが、困難な場合は他の選択肢を模索する」と述べ、アメリカを含む他国との協力の可能性を示唆している。

1951年、アメリカとフィリピンは「相互防衛条約」(MDT)に署名した。この条約は、いずれかの国の領土、軍隊、船舶、飛行機が武力攻撃を受けた場合、両国が協力して対処することを規定している。これには、本土だけでなく太平洋の島々も含まれる。

フィリピンの国防長官は、より積極的な対策が必要であると述べ、国際社会に対し、中国の南シナ海での行動をより強く非難するよう求めている。

アメリカ軍のインド太平洋軍司令部は、地域の自由と開放を維持するため、同盟国やパートナー国との協力を続ける意向を明らかにしている。

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