昔、イギリス人の先人となるブリトン人の君主、伝説の王、アーサー王がいました。彼はまた、神話最強の聖騎士団「円卓の騎士」のリーダーでもあります。ある時、彼は敵に捕まえられ、処刑されそうになりました。敵の王は彼の勇気を気に入り、チャンスを与えました。1年のうちに、「女性が最も強く望むことは何か」という難問の正解を見つければ、自由を取り戻せるというものでした。
アーサー王は正解を求めて奔走しましたが、満足のいく答えはみつかりませんでした。その時、ある人が、一人の女性が答えを知っているかもしれないと教えてくれました。アーサー王は彼女の元を訪れました。女性は自分の条件を飲むことと引き換えに答えを教えると王に迫りました。その条件は王の友人ガウェインと結婚することでした。ガウェインはアーサー王の親友であり、高貴なる円卓の騎士の一人でもあります。
女性は醜い老婆の姿でいて、体から悪臭が漂っています。一方、ガウェインはハンサムで、誠実かつ勇敢な騎士でした。
アーサー王は女性の条件を断りました。自分のために親友を犠牲にすることは許せませんでした。しかし、状況を知ったガウェインはアーサー王のため国のため、女性と結婚すると自ら身を乗り出しました。すると、女性が「自分の意思を持つこと」という答えを教えてくれました。アーサー王はその答えをもって、自由を取り戻しました。
結婚式の夜、女性は姿を美しい美女に変身しました、「私は一日のうち、半日は美女で、半日は醜い老婆です。昼間に美女で夜に老婆のほうがいいか、或いはその逆のほうがいいか」とガウェインに聞いてきました。
ガウェインは「あなたから『女性が最も強く望むことは何か』の答えが『自分の意思を持つこと』だと教えてくれたから、あなた自身が決めるべきだ」と答えました。すると、女は昼も夜も美女の姿でいることにしました。
ガウェインは友人にも妻にもベストを尽くし、妻の意思も尊重しています。他人の幸せを願う人こそ、ほんとの幸せを手に入れられます。あなたの尊重と理解で幸せになった相手は、あなたにも幸せをもたらします。
日本人学者の江本勝さんは水と水の結晶について研究を行いました。彼の実験では、褒められた水は非常に美しい結晶を作るとわかりました。褒め方は、声でも文字でも限りはありません。反対に、罵られた水は非常に醜い結晶を作ってしまうことも確認されました。
「善には善の報い、悪には悪の報い」とよく言われています。人を相手でも物を相手でも、良い結果を求めたいなら、まず自ら誠実に笑顔で相手に向き合いましょう。
(翻訳編集 正道 勇)
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