香港の大富豪 李嘉誠氏が4.7億香港ドル以上を現金化
中国共産党(中共)が一連の株式市場救済策を発表し、中国と香港の株式市場が大幅に上昇した。多くの上場企業の大株主が株式を売却して現金化する中、李嘉誠氏が約4.75億香港ドル(約92億円)を現金化し、注目を集めている。
彼は影響力のある実業家であり、その投資判断は多くの注目を集めている。
10月18日の香港証券取引所のデータよると、李嘉誠氏は14日と17日の2回に分けて中国郵政貯蓄銀行のH株を合計1.01億株売却し、約4.75億香港ドルを現金化した。
中国郵政貯蓄銀行は、中国の六大国有銀行の一つで、本店は北京市に位置している。中共が作り出した「ブルマーケット(強気相場)」の影響を受け、18日の終値時点で郵政貯蓄銀行のH株は累計37%以上上昇した。
現在、李嘉誠氏が保有するH株は15.81億株に減少し、持株比率も7.96%に低下している。
この李嘉誠氏の株式売却について、中国本土のネットユーザーは「銀行株の冬の時代が来たようだ」「大手資本は政策と市場に対する研究が比較的深く、予見性は高いので価値がある」と活発に議論している。
中国本土の上級会計士である于氏は次のように述べた。
「中国の株式市場は全体として詐欺的であり、多くの証券会社や上場企業の幹部は中国の実際の経済状況をよく理解している。そのため、株価が上昇すると、彼らは売却して利益を確定しようとしている」
9月中旬以降、中共は次々と救済策を打ち出し、中国と香港の株式市場は連日急騰し、2億人以上の個人投資家がこの人為的な「ブルマーケット(強気相場)」に殺到した。しかし、上場企業の大株主たちは次々と株式を売却し、市場から退出している。
アメリカ在住の経済学者、黄大衛氏は次のように語る。
「中国の株式市場の主な機能は上場企業に資金を提供することだ。これらの企業は株価を引き上げ、高値で個人投資家に株式を売り付けることで、実質的に現金化している」
10月9日以降、中国の株式市場は連続して大幅に下落し、投資家は大きな損失を被った。株式市場を安定させ、投資家の信頼を回復するために、23の上場企業が10月20日に、借入金を使って自社株買いを行うと発表した。
黄大衛氏はさらに「現在、中国の地方政府は巨額の財政赤字に直面しており、もっと多くの投資資金を市場に呼び込む必要がある。したがって、このゲームはまだ終わっていない」と述べた。