政府備蓄米放出が公表(Shutterstock)

政府備蓄米の早期放出を表明 江藤農相来週にも詳細公表へ

江藤拓農林水産大臣は7日の閣議後記者会見で、コメ価格の高騰を受け、政府備蓄米の放出を「できるだけ早期に実施する」と表明した。数量や価格などの詳細は早ければ来週中にも公表される見込みで、コメの流通円滑化を目的とした備蓄米放出は制度開始以来初めての事例となる。

農水省によると、2024年産米の生産量は前年比18万トン増加したが、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの集荷量は昨年12月末時点で約21万トン減少している。この需給ギャップを背景に、5kgあたりのコメ小売価格は4千円前後で高止まりしている。江藤拓農相は「業者が在庫を抱えている可能性」を指摘している。  

農水省は1月末に備蓄米の運用指針を改定した。これまでの指針では、不作による供給不足の場合にのみ備蓄米を放出できたが、新しい指針では「円滑な流通に支障が生じた場合」も放出の条件に加えられた。今回の備蓄米放出は、この新しい指針に基づいて実施される。備蓄米はJA全農などの集荷業者に売り渡され、供給量増加による価格抑制が期待される一方、1年以内の買い戻しが義務付けられる。江藤大臣は「これ以上価格が上昇すれば、消費者がコメを選ばなくなる事態も懸念される」と危機感を示した。

▶ 続きを読む
関連記事
東京株式市場の前場で日経平均が下げ幅を拡大し、一時800円超の下落を記録。米株高後の過熱感から利益確定売りが膨らみ、植田日銀総裁の講演を前に投資家が警戒
金価格の高騰を背景に、日本への金の密輸が3年連続で急増している。片山さつき財務大臣は28日、税関で申告のない金について没収を可能とする制度改正を明らかにした。不正薬物以外の没収対象化は初めてであり、財務当局が金密輸を従来より深刻な脅威と捉えていることがうかがえる
ソニーや三菱自動車など多くの日本企業が中国で事業縮小や撤退を進行中。生産拠点は東南アジアやインドへの移転が目立つ
高市首相は、日米が南鳥島周辺海域でレアアース鉱物の共同開発を検討すると発表。経済・安全保障の強化を目的に日米が協定を締結し、中国依存脱却を目指す。
9月貿易統計では、半導体関連の輸出回復により5カ月ぶりの増加が確認されたが、輸入がそれを上回り、貿易赤字は3か月連続となった。円安進行が輸出企業の追い風となる中、高市早苗氏の政策スタンスが市場で注目を集めている。