2025年3月16日、アメリカ海軍「ミネソタ号」(USS Minnesota, SSN-783)バージニア級高速攻撃型原子力潜水艦がオーストラリア西部海域を航行している様子。(Colin Murty/POOL/AFP via Getty Images)

中露合同軍事演習 米軍核潜水艦が標的か?

今月1日から5日まで、中露海軍はロシア遠東海域で合同軍事演習「海上聯合2025」を展開した。今回の演習は対潜水艦作戦を主軸に据え、両国海軍の戦略的協力と同盟深化を強く印象づける内容となった。8月6日からは演習に続く合同巡航を開始し、地域安全保障環境はさらに緊張を増している。

中国共産党軍報によれば、8月5日午後、演習に参加した中露艦艇編隊は事前計画通り全海上科目を完了し、翌6日から海上合同巡航に移行した。今回の「海上聯合2025」では、対潜水艦作戦を最重要科目と位置付け、敵方潜水艦を模擬目標として捜索・撃沈する実弾射撃を実施し、高度な対潜戦能力を強化した。ロシア国防省は今後も軍事協力を深化させる方針を示し、中露の協調行動を常態化する意図を明確にした。

同時期、米軍はロシア周辺海域に2隻の原子力潜水艦を展開した。米国の明確な軍事的反応の背景には、ロシア前大統領メドベージェフ氏による核威嚇発言がある。トランプ大統領は8月1日、米軍戦力の展開を発表し、ロシアに対し「ウクライナ戦争終結」の最後通牒を突き付けた。期限内に応じなければ、ロシアおよびロシアの石油購入国に対して新たな厳格制裁を科す方針も示した。また、中国共産党にも影響が及ぶ可能性を警告した。

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アメリカ海軍は2023年5月25日原子力航空母艦・ジョージ・ワシントンが再配備されることを発表した。6年ぶりの展開であり、当初4年で想定された炉心交換・包括修理などのオーバーホール(RCOH)を2年延長した影響で再配備が遅れた。修理の延長は、造船をめぐって米海軍が抱える問題を示唆している。
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