中国経済、製造業偏重がもたらす構造的リスク サービス産業は軽視続く
中国共産党の国家戦略は長年、製造業主導で進められてきた。製造業には国家総力を挙げて過剰なほどの投資を行う一方、公共衛生、医療、教育などサービス産業への投資は長期にわたり不足し、規制も強化されてきた。このいびつな経済モデルは現在、国内では生産能力の過剰と需要の低迷を招き、過去最長となるデフレ局面に陥っている。国外では高関税の打撃も受けているが、中国共産党がこの経済モデルを転換する兆しは見られない。
7月14日、習近平会議で、地方政府が新エネルギーや人工知能(AI)プロジェクトに一斉に取り組む状況を異例の形で批判した。「プロジェクトといえばAI、計算能力、新エネルギー車。全国すべての省がこうした方向に産業を発展させるつもりなのか」と問いかけたのである。
その後の7月31日、国家発展改革委員会は政府系投資基金の運用指針案を公表し、新興産業分野での盲目的な追随や一斉参入を避けるよう求めた。しかし過去を振り返れば、「中国製造2025」から「新質生産力」「新興産業」に至るまで、いずれも習主席の強い後押しを受けて推進されてきた政策である。製造業、とりわけ新興産業への投資は現在も急速に拡大しており、その勢いは衰えていない。
関連記事
中国経済の低迷が続くなか、新一線都市とされる杭州でも景気悪化が目立っている。商業街では空き店舗が増え、不動産価格の下落や就職難も深刻化。市民からは、貯蓄を取り崩して生活しているとの声も
中国個人消費の低迷や企業収益の圧迫が明白。2026年1〜5月、中国の国内消費税収入は前年同期比で減少し、企業所得税の伸びもわずか0.2%にとどまった
外資企業の中国撤退が前年比3割増。規制や不確実性を背景に投資意欲が低下し、生産拠点の海外移転も進む。当局は対策を強化するが、政策と実態の乖離が指摘されている
サムスン電子が中国で家電製品の宣伝に使っていた公式WeChatアカウントが凍結状態となった。外国家電ブランドが近年、中国市場で相次いで後退している
中国経済が不振にあえぐ中、習近平は米国とのハイテク競争に突き進んでいる。英独メディアは、その姿をソ連末期の宇宙競争になぞらえ、経済をさらに圧迫する危うい賭けだと指摘