アーレイ・バーク級のミサイル駆逐艦。(U.S. Navy/AFP)

米国 マフィア掃討で軍事行動 米軍艦がベネズエラを封鎖

アメリカがラテンアメリカの麻薬組織に対する取り締まりを強化し、その矛先がベネズエラに向けられている。ホワイトハウスの声明によれば、トランプ大統領はすでに国防総省に対し、中米・メキシコ・ベネズエラの麻薬カルテルを標的とする軍事行動を承認する秘密指令に署名した。

当初、米軍はアーレイ・バーク級駆逐艦『グレイブリー』、『ジェイソン・ダナム』、『サンプソン』」の3隻の駆逐艦と、巡航ミサイルを発射可能な攻撃型原潜1隻、そして約4千人の海兵隊員を投入する計画だった。 しかし、ベネズエラのマドゥロ大統領がアメリカを強く批判する発言を行ったことから、アメリカは追加展開を決定。「レイク・エリー」巡洋艦や複数の駆逐艦、沿海域戦闘艦、大型の強襲揚陸艦に加え、P-8A「ポセイドン」哨戒機も投入された。専門家は、これは単なる海上包囲にとどまらず、上陸作戦も視野に入れた動きとみている。

バンディ司法長官は、マドゥロ氏を「世界最大級の麻薬密売人の一人」と非難。ベネズエラ軍内部の「太陽カルテル」がコロンビアのゲリラ組織と連携し、大量の麻薬をアメリカへ輸送していると指摘している。アメリカ国内で流通するフェンタニルの多くは、中国から原料が輸入され、ベネズエラを経由しメキシコで加工され、その後密輸されているとされる。

▶ 続きを読む
関連記事
トランプ大統領が海軍力強化に向けた新構想を発表した。過去最大級の「トランプ級」戦艦の建造やフリゲート艦の拡充により、米国の造船業復活を目指す
トランプ政権は「容赦なき正義作戦」を開始し、前政権下で所在不明となった不法移民児童約13万人の所在を確認した。性的捕食者の逮捕や被害児童の救出を加速し、児童搾取の撲滅に挑む
人種間の公平性を重視し、停学処分を避けて対話を促す「修復的司法」。しかし米国の学校現場では、処罰の欠如がいじめや暴力の温床となり、秩序が崩壊している。トランプ政権が是正に動く、規律政策の光と影を追う
米政府責任説明局(GAO)の報告書により、バイデン政権下の「特例入国許可(パロール)」制度で数千件の不正が判明。審査の甘さが露呈した。トランプ政権は取り締まりを強化中
トランプ大統領は、高度人材向けの新ビザ「ゴールドカード」の売上が約2,000億円に達したと発表した。100万ドルで居住権を販売し、収益を国家債務返済に充てる。高学歴層の確保と不法移民抑制を狙う