左は映画『得閒謹制』のオンライン作品紹介画面、右は空席が目立つ上映座席図。(スクリーンショット)
中国映画館に広がる静かな抵抗。

娯楽ボイコット下の中国映画館に広がる「満席演出」

中国で「娯楽ボイコット」が広がる中、政府系メディアが盛況を強調する愛国映画『得閑謹制(GezhiTown)』が公開された。初日興行は1億元(約20億円)を突破したと宣伝され、中央テレビまでが成功をアピールした。

しかし、SNSに投稿された映画館の光景はそれとはまったく異なる。

実際に映画館へ足を運んだ市民の間では「ほとんど人がいない上映回ばかりだった」との声が多数寄せられ、公式発表どおりの盛況だったのか疑問視する空気が広がっている。

舞台は山間の小さな町。戦時下で住民が家族を守ろうとする姿を描いたもので、主演のシャオ・ジャン(肖戦)は中国でもトップクラスの人気俳優だ。公開前から国営メディアは集中的に宣伝し、成功を印象づけようとしてきた。

▶ 続きを読む
関連記事
中国・上海にある海軍関連の社宅で現役軍人が退役軍人の家族による抗議を鎮圧? 「若い兵士のみなさん、汚職官僚の手先にならないで!」 「私たちはあなたの先輩だ!」 悲痛な叫びが響いた現場で、投入された若者たちは必死に顔を隠した。何が起きているのか。
英国が国家支援型サイバー攻撃に関与した中国企業2社を制裁。80超の政府機関を標的にした攻撃を抑止する狙い。日本はこの公開非難を支持した
AIを悪用した「返金詐欺」が中国で爆発中。活きた蟹がAIで「死亡加工」され、買い手が拘留。業者が次々つぶれる勢いだという。
内モンゴル自治区フフホト市の商業ビルで発生した大規模火災をめぐり、インターネット上に拡散した映像と当局の発表内容が大きく食い違い、情報隠蔽ではないかとの疑念が広がっている。住民の被害状況は依然明らかになっていない
中国でまた高校生のいじめ死が発生。「孤児だ」と半年以上侮辱され続けた17歳の少年。遺族は棺を校門に運び「真相を明らかにしてほしい」と訴えている。 いま中国で何が起きているのか。なぜ子どもを守れない社会になってしまったのか。