安倍昭恵さん (Getty Images)

昭恵さんが公判で伝えた安倍元首相の遺志「私を哀しむより志を継いで」

令和4年7月8日に発生した安倍晋三元首相銃撃事件の論告求刑公判において、妻・昭恵さんは、亡き夫が大切にしていたという幕末の思想家・吉田松陰の言葉を引用した。「われを哀しむは、われを知るにしかず。われを知るは吾が志を張りて、之を大にするにしかざるなり」という言葉である。この一節には、突然の死によって潰えた一人の政治家の無念さと、遺された人々がその「志」をどのように受け継ぐべきかという、強いメッセージが込められている。

昭恵さんは意見陳述において、夫を亡くした喪失感は一生消えることはないと吐露している。しかし同時に、彼女は憎しみや恨みといった負の感情に支配されないよう、自らの感情を俯瞰し続けてきたという。

松陰の言葉にある「われを哀しむは、われを知るにしかず(私を哀れむよりも、私という人間を理解してほしい)」という一節は、単なる同情を拒絶し、その人物が何を成そうとしたかに目を向けるよう促すものである。安倍元首相は、通算3188日の在職期間中、196の国と地域を訪問し、「日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ」という信念のもとで地球儀を俯瞰する外交を展開した。トランプ前大統領やアボット元首相ら各国首脳から寄せられた1700件以上のメッセージは、彼が日本と国民のために尽くした足跡を世界が「知っている」ことの証左といえる。

▶ 続きを読む
関連記事
高市総理は臨時国会閉会後の会見で、松下幸之助の教え「素志貫徹」を引用し、困難を乗り越える決意を表明。物価高対策や補正予算、防衛強化、危機管理投資を推進し、国民生活を守る姿勢を示し、中国との対話も継続する方針を強調
中国共産党が日本に本当に求めている事とは、さらなる謝罪ではない。ほぼ1世紀後になって、日本の選挙で選ばれた指導者が、地面にひれ伏すほどの屈辱を受け、中国共産党の独裁的要求に従う姿を見せることだ
空母「遼寧」の宮古海峡通過後、中共軍のJ-15戦闘機が航空自衛隊のF-15を沖縄南東空域で2度レーダーロックオ […]
ある中国人投稿者が、能登半島地震で被災した石川の現地で、高市首相が腰を下ろした高齢の男性の前に膝をつき、握手を交わす姿国家の指導者が国民を「家族の長老のように扱っている」と受け止め、「非常に感動的で心を打たれる」と率直な感想を記したことが話題となっている