静岡県清水港で停泊する地球深部探査船「ちきゅう」(Tomohiro Ohsumi/Getty Images)

初の深海レアアース試験採取 専門家が指摘する二つの狙い

1月12日、日本は南鳥島周辺海域で、世界初となる深海レアアースの試験採取を開始した。水深6千メートルの海底から、レアアースを含む海泥を回収する試みで、中国共産党(中共)がレアアースを経済的圧力の手段として利用している中、日本が対中依存からの脱却を進める契機になると専門家はみている。

掘削装置を搭載した地球深部探査船「ちきゅう」は1月12日、静岡県清水港を出港し、東京の南東約1900キロに位置する南鳥島沖へ向かった。約1か月にわたり、深海に管を下ろしてレアアースを含む海底泥を船上に汲み上げる。水深6千メートルでのパイプ方式による採取は世界初となる。

このプロジェクトは、日本政府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の主導で進められ、日本海洋研究開発機構(JAMSTEC・ジャムステック)が実施している。プロジェクト責任者の石井正一氏は「7年にわたり準備を重ねてきた。6千メートルの深海からレアアースを回収できれば、技術的に大きな成果となるだけでなく、日本のレアアース供給の多様化にとっても極めて重要だ」と語った。

▶ 続きを読む
関連記事
激動の中東情勢やサプライチェーンの危機に対し、高市総理がG7サミットで共同備蓄連携を提案し合意を形成。英仏独伊やトランプ米大統領、欧州の「準同盟国」との多層的な連携で挑む高市外交の全貌を解説
高市首相が仏紙『ル・フィガロ』に寄稿。G7エヴィアン・サミットに際し、中東情勢を受けたエネルギー安保対策や、AI時代に対応する新FOIPでの日仏連携、宇宙等の産業協力を強化する決意を示した
小泉進次郎防衛相は、中共が公表する国防予算の正確性と透明性に疑問を呈した。中共が日本を「新たな軍国主義」と非難するなか、東京の対中姿勢が注目されている
G7サミットに出席中の高市総理は16日、トランプ米大統領と懇談した。米イラン間の覚書合意への歓迎のほか、日米関税合意の着実な実施、中国を含むインド太平洋情勢を巡る緊密な意思疎通の継続を確認した
G7エビアン・サミットが閉幕した。内閣総理大臣として初めてG7サミットに出席した高市早苗首相は、経済成長からAI、欧州との安全保障連携に至るまで、多岐にわたる分野で日本の存在感を示した