高市政権 第2回経済財政諮問会議開催 マクロ経済運営とイノベーションの促進に向けて

2026/02/25 更新: 2026/02/25

令和8年2月24日、高市総理は総理大臣官邸において、令和8年第2回経済財政諮問会議を開催した。本会議では、マクロ経済運営(金融政策、物価等に関する集中審議)およびイノベーション(スタートアップ、大学改革等)を主要な議題として議論が行われた。

会議のまとめを行う高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

背景 

マクロ経済の分野では、日本は過去30年にわたりデフレと行き過ぎた緊縮志向に陥っていたが、足元ではGDPギャップが縮小し、「金利ある世界」へと移行しつつある。コストプッシュを起点とした物価高により景気は力強さに欠けるものの、実質賃金のプラス定着や潜在成長率の引き上げが急務となっている。 一方、イノベーションの分野では、日本の研究力を示すトップレベルの論文数ランキングが下落傾向にあるなど、国際的な地位の低下が課題となっている。また、物価や人件費が上昇する中で大学の運営費交付金が実質的に減少し、研究活動時間の減少や専門人材の不足など研究環境の悪化が深刻化している。スタートアップ支援においても、公共調達におけるスタートアップ比率が目標水準(3%)に達していないといった現状がある。

マクロ経済運営に関する議論

高市総理は、「責任ある積極財政」へと本格的に転換し、未来への投資不足から完全に脱却する方針を強調した。特に予算編成のあり方を見直し、毎年補正予算が組まれることを前提とした手法とは決別し、必要な予算は可能な限り当初予算で措置する姿勢を示した。 日本銀行からは、現状として基調的な物価上昇率は緩やかな上昇が続いており、賃金と物価がともに緩やかに上昇していくメカニズムは維持される可能性が高いとの見解が示された。景気の改善や賃上げが続くことで、今後の予測期間の後半(2026年度から2027年度頃)には、日銀が目標とする『2%程度の安定的な物価上昇』が定着する可能性が高まっていると報告された。

イノベーションに関する議論

「強い経済」を実現するためには、新たな付加価値を創出するイノベーションが不可欠である。会議では、基礎研究を支える科学研究費助成事業(科研費)の拡充や計画的な予算措置、物価上昇等を踏まえた大学の運営費交付金の大幅な拡充などの大学改革が提案された。 さらに、スタートアップ・エコシステムの構築に向けて、公共調達におけるスタートアップ比率の目標である3%を早期に達成し、さらに高い水準を目指すことや、個人がスタートアップへ投資した際の税優遇措置(エンジェル税制)について、その仕組みが実際に役立っているかを確かめるとともに、制度の利用を妨げている障害を取り除いていく方針が確認された。また、デュアルユース技術を含めた先端技術研究への官民を挙げた支援体制の構築や、政府の中長期的なコミットの明確化を通じた民間投資の喚起も議論された。

今後の予測

高市総理は会議の締めくくりとして、小野田大臣に対して「新技術立国」を目指した第7期「科学技術・イノベーション基本計画」の策定を進めるよう指示し、城内大臣に対しては「スタートアップ育成5か年計画」を強化して先端技術の社会実装を加速させるよう指示した。 今後は夏の「骨太の方針」策定に向けて、財政の持続可能性に配慮しつつ、給付付き税額控除や導入までのつなぎとしての消費税減税等を含めた、経済・財政・社会保障の全体俯瞰に基づく持続可能な経済社会の構築についての議論が深められると予想される。政府は行き過ぎた緊縮志向から脱却し、「危機管理投資」や「成長投資」への大胆な官民協調投資を通じて、新たな成長型経済への移行を本格化させていくと見込まれる。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
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