軍部ナンバー2の中央軍事委員会副主席・張又侠と中国共産党党首・習近平(Getty Images/大紀元合成)

張又侠事件が示す中共の自国憲法への軽視 専門家「マフィア的性格」

中国共産党(中共)当局は近年、「依法治国(法に基づく国家統治)」を統治理念として強調している。しかし、実際の反腐敗運動ではしばしば法的手続きが軽視されているとの指摘が絶えない。とりわけ、軍高官でありながら全国人民代表大会(全人代)代表でもある張又侠や劉振立に対する処分の過程には制度上の矛盾が見られ、中共体制の実態を示す象徴的事例となっている。

今回問題となっているのは、中央軍事委員会副主席の張又侠と、中央軍事委員会統合参謀部参謀の劉振立である。両者は今年1月20日、中央党校で開かれた幹部向け会議を欠席。その後24日、中国国防部は両名が「重大な規律違反および違法行為の疑い」で立件され、審査・調査を受けていると発表した。

しかし、ここでの注目はその後の制度的処理である。2月26日、北京で第10期全国人民代表大会常務委員会第21回会議が閉幕し、19人の全人代代表資格の剥奪が発表された。このうち9人は軍の将官だったが、張又侠と劉振立の名前は含まれていなかった。

▶ 続きを読む
関連記事
中国共産党軍内部で、過去12年にさかのぼる大規模な調査が進められていることが分かった。調査は中堅・上層部の将校らに広がっており軍内では前例のない不安と動揺が広がり、実戦能力より政治的忠誠が優先される体制への転換に懸念が強まっている
習近平が政権を握って以来、自ら抜擢した党・政府・軍の側近が相次いで失脚、あるいは消息不明となっている。軍から党内に至るまで習近平に対し二心を抱く者が多く、すでに威信は大きく揺らいでいる
中共当局による懸賞付き指名手配を受けた台湾のインフルエンサー八炯氏が、海外の中共領事館で出頭を試みたものの受け付けられず、その様子を収めた動画が注目を集めている
江沢民派のフィクサー、曽慶紅。豪邸購入や国有資産横領にまみれた一族の腐敗から、南アフリカでの暗殺未遂、臓器収奪への関与まで、その権力掌握の足跡と法輪功迫害に加担した「血債派」の闇の真相に迫る
中国共産党(中共)の「両会」は12日に閉幕し、すでに10日が経過したが、中共の党首習近平は、例年通り3月中旬に北京を離れて視察を行うことがなかった。これがメディアの注目を集めている。