2026年3月10日、取引開始直後、米国の原油先物指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が6%以上下落したことを受け、韓国と日本の株式市場は大幅に上昇した(Photo by Kazuhiro NOGI / AFP via Getty Images)

日経平均株価 一時1900円超の大幅反発 イラン情勢の早期収束期待が後押し

2026年3月10日の東京株式市場において、日経平均株価は前日比で一時1900円を超える大幅な反発を見せ、5万4600円台を付けた。前日の9日に日経平均株価は過去3番目の下げ幅で2892円安を記録しており、約1カ月ぶりの安値水準となったことによる値ごろ感も相場を支える要因となった。

急反発の最大の背景にあるのは、緊迫していた中東情勢の早期終結シナリオに対する市場の期待感である。米国時間の9日、トランプ米大統領はメディアの取材に対し「戦争はほぼ終了した」と明言した。トランプ大統領は米国の攻撃によってイランの反撃能力がかなり削がれた点を強調し、「新たな国を建設する始まりだ」とも語った。この発言をきっかけに、事実上の封鎖状態にある原油輸送の要衝・ホルムズ海峡において、トランプ政権が米軍による輸送タンカーの護衛などを進め、原油価格を押し下げるとの期待が市場で浮上している。

実際に米国の原油先物相場は急落し、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は一時1バレル81ドル台前半まで下落、わずか1日程度の間に40ドル近くも急落する展開となった。同日の米株式市場でも投資家心理が改善し、ダウ工業株30種平均は前週末比239ドル高と反発して取引を終えている。

▶ 続きを読む
関連記事
石油連盟の木藤俊一会長は会見で、中東緊迫下でも代替調達により安定供給と製油所の稼働を維持していると強調。一方で、サプライチェーン強靱化に伴うコスト負担や競争力維持の議論が必要と訴えた
日本銀行・小枝審議委員の講演内容を解説。中東情勢を背景とした物価上振れリスクへの警戒感や、「金利の正常化」に向けた追加利上げの必要性、バランスシート正常化への道筋について分かりやすくまとめました
トランプ大統領がイランに対して強硬な警告を発したことに加え、湾岸地域で新たなドローン攻撃が相次いだことを受け、18日、原油価格は1%超上昇し、アジア太平洋地域の株式市場は全面安
経団連が策定した2040年を見据える国家戦略「科学技術立国戦略」。構造的課題を克服するため、投資牽引型への転換や世界トップ水準の研究開発投資など、政府への提言内容と目指すべき社会像に迫る
高市総理がオーストラリアを訪問し、アルバニージー首相と首脳会談を行った。友好条約50周年の節目に、防衛やエネルギーなど様々な分野での協力を深める。「準同盟国」として次なる50年へ向かう両国の歴史的会談のポイントを解説