カナダ原油タンカー到着 中東依存低減へ調達先を多角化

2026/08/12 更新: 2026/08/12

8月12日朝、カナダ産原油を積んだタンカーが鹿児島市のENEOS喜入基地に入港した。カナダ産原油が日本に到着するのは2025年初め以来で、中東情勢の悪化後では初めてとなる。

ホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となり、中東からの原油輸送が不安定になるなか、政府と石油元売り各社は、中東以外からの代替調達を進めている。

今回の原油は、カナダ西部から太平洋岸へ通じるトランス・マウンテン・パイプライン(TMX)を経由し、ENEOSが国内消費用として調達した。日本は原油輸入の大部分を中東に依存しており、カナダを含む北米などからの調達を増やすことは、供給源や輸送ルートの多様化につながる。

ENEOSによると、原油は国内消費用で、中東からの調達には20日程度かかるのに対し、カナダからは10日ほどで届くという。

日加関係強化の延長線上に

カナダ産原油の調達は、日本とカナダの関係強化とも重なる。

3月6日に、カーニー首相と高市首相は首脳会談で、両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げすることで合意した。LNGカナダのアジア向け生産開始や、オンタリオ州での小型モジュール炉(SMR)建設計画なども取り上げられた。

タンカーの入港を受け、高市氏は、「エネルギー安全保障分野における日本とカナダの協力の具体的な成功事例であり、大変喜ばしく、日本のエネルギー安全保障の確保の観点からも、意義深いこと」と投稿した。

8月は前年並みの原油確保を見込む

政府は官民でホルムズ海峡を通らない原油の確保を進めている。

高市氏は、8月について、代替調達によって「現時点で、備蓄放出に頼ることなく、前年平月比で約10割の調達が実現できる見通しだ」としている。

また、備蓄の放出を抑えながら「日本全体として必要となる量」を確保し、「国民の皆様の命と暮らし、そして経済活動に支障が生じないよう、取り組んでいく」と述べた。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
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