円相場159円台 日銀利上げ観測強まる

2026/08/12 更新: 2026/08/12

日米の金利差などを背景に円相場が下落し、円安が進む恐れがある。日銀が公表した金融政策決定会合の議事要旨からは、追加利上げが近いとの見方も出ている。

8月11日の外国為替市場で、円相場は1ドル=159円30銭まで下落した。前営業日には約1%下落し、G10通貨の中で下落率が最大となった。

英字紙「ジャパン・タイムズ」によると、ステート・ストリート銀行のストラテジスト、Lee Ferridge氏は「新たな介入がなければ、円は引き続き下落するだろう。市場では、追加介入が見られないことへの失望感が広がっているようだ」と述べた。

財務省は8月3日、最近の円相場の過度で無秩序な変動に対応するため、アメリカと円買いの協調介入を実施したことを確認した。必要に応じて、アメリカと再び共同で対応する考えも示した。

円相場は7月末、一時1ドル=164円前後まで下落した。その後、日米が1998年以来となる協調介入で円を買い、約40年ぶりの安値圏から反発。一時1ドル=155円付近まで円高が進んだ。

日本とアメリカはいずれも必要に応じて再び対応する用意があるとしている。ただ、日米の大幅な金利差や日本の財政見通しへの懸念、地政学リスクが引き続き円の重しとなっている。

また、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が年末までに再び利上げするとの見方が強まり、円安圧力につながっている。

ゴールドマン・サックス・グループは報告書で、今回の為替介入に対する市場の反応は比較的限定的だったと指摘した。世界的な経済・金融環境に変化がなく、政策も予想外に転換しなければ、「円安圧力は時間の経過とともに再び強まる」との見方を示した。

バンク・オブ・アメリカは、さらに円高が進むには、日本当局による「より強力な」為替介入か、日本銀行が9月の利上げを示唆する必要があると分析した。

野村証券も報告書で、市場参加者は当局の発言を注視していると指摘。「市場は引き続き、日米が為替介入にどのような姿勢を示すかに注目する」とした。

8月11日に開かれた野村投信の記者会見で、戦略・マーケティング部門統括の張繼文氏は、日米の金利差縮小や円安圧力の緩和につながるとして、日本銀行が利上げ時期を前倒しする可能性が高いとの見方を示した。

市場ではこれまで、半年に1回程度の利上げが見込まれていたが、張氏は、日銀が今年9月か10月に再び利上げする可能性が高まっていると指摘した。

市場関係者は、こうした動きについて、日本がインフレ抑制と為替相場の安定に強い姿勢を示している表れだとみている。投資家の間では、円安がどこまで進むか、その目安となる水準が徐々に見え始めている。

日銀が8月10日に公表した7月の金融政策決定会合の議事要旨によると、ある政策委員は「基調的な物価上昇率が2%に近づく中、物価の上振れリスクにはこれまで以上に配慮する必要があることを踏まえると、経済・物価・金融情勢によっては、利上げのペースが市場の想定より早まることも考えられる」と指摘した。

また、政策委員からは、「一定の利上げペースにとらわれず、海外の金融環境の転換にも応じた機動的対応や利上げ幅の議論が必要となる新たな局面に転換した」との意見が出た。

任義
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