米FRB 3年ぶりに利上げ

2026/09/17 更新: 2026/09/17

インフレの高止まりと米国債利回りの上昇を受け、金融政策を引き締めた。

 

米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、3年余りで初めて利上げを実施した。

金融政策を決める当局者らは、企業や消費者の借り入れコストに影響する主要な政策金利、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、3.75~4%とすることを12対0の全会一致で決定した。

利上げは2023年7月以来である。

FRBは会合後の声明で、「経済活動は堅調なペースで拡大している。地政学的な動向などを背景に不確実性は依然として高いものの、国内支出は底堅い」と述べた。

さらに、「生産性の伸びは力強く、設備投資も堅調である。雇用の増加は労働力人口の伸びと歩調を合わせており、失業率はほとんど変化していない」とした。

ウォーシュFRB議長は会合後の記者会見で、インフレ率は依然として高すぎると述べた。

主要な物価指標である消費者物価指数(CPI)と、FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数は、ともに総合指数の前年比上昇率が3%を大きく上回っている。変動の大きいエネルギーと食品を除いたPCEコア指数も、FRBの目標である2%を上回る。

ウォーシュ氏は、自身を含む当局者らは現在のインフレ鈍化のペースに満足していないと述べた。

「基調的なインフレ率が、明確に、かつ十分な速さで目標に向かっていると確信できなければならない」と記者団に語った。

「本日、連邦公開市場委員会(FOMC)は、その基準が満たされていないと判断した。委員会の全会一致の採決は、より早期に物価の安定を実現するという私たちの決意を示している」と述べた。

エポックタイムズに提供されたLPLフィナンシャルのデータによると、米国の政策金利は主要7か国(G7)の中で最も高くなった。

トランプ大統領は、FRBの決定を自身の交流サイト「トゥルース・ソーシャル」で批判した。

「米国の金利は1%以下であるべきだ。われわれの信用力は世界で群を抜いて最も高いからだ」と投稿した。

トランプ氏は、米国には多くの新規投資が集まっていると述べた。また、米国が貿易赤字を抱えるすべての国との貿易をやめれば、少なくとも年間1兆5000億ドルを得られると主張した。

さらに、米国は貿易面で世界のほぼすべての国を「支えている」とし、この状況を続けることはできないと述べた。

トランプ氏は「米国の金利を引き下げよ。速やかに!」と、すべて大文字で投稿した。

経済見通しの概要

FRBは金利決定に加え、金融政策と経済に関する四半期ごとの見通し「経済見通しの概要」を公表した。

更新された見通しでは、当局者の過半数が年内にもう一度利上げを見込んでおり、政策金利の予測中央値は4.1%となった。来年の追加利上げは見込んでいない。

物価については、2026年のPCE物価指数の予測を3.6%から3.7%へ小幅に引き上げた。PCEコア指数の予測も3.3%から3.4%へ上方修正した。

経済については、今後数年間の失業率の予測中央値を4.1%と見込んでいる。成長率の予測は、2026年が2.3%、2027年が2.4%へ、それぞれ上方修正された。

LPLフィナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は、大紀元に電子メールで寄せた見解で、「ウォーシュ議長と委員会の他のメンバーは、インフレ抑制に集中することで、確固たる評価を築きつつある。最新の経済見通しには金融引き締めに積極的な姿勢が随所に表れている」と述べた。

「現在の経済状況を踏まえ、委員会は必要な対応を取った。市場の反応も驚くほど落ち着いている。今後は、地政学的な紛争が収まるにつれて、インフレがどの程度改善するかが議論の中心になるだろう」とした。

ウォーシュ氏は2回連続で、自身の金利見通しの記入を見送った。FRB議長は、先行きの政策方針を示すことを控えたいと繰り返し述べている。

FRBは次回の金融政策会合を10月27~28日に開く。

CMEの「フェドウォッチ」の最新データによると、FRBが10月に2会合連続の利上げを実施するかどうかについて、先物市場の見方は分かれている。

市場の反応

利上げは投資家の間で広く予想されていたため、決定後の米金融市場に大きな変動はなかった。

米国債利回りはまちまちだった。

指標となる10年債利回りは4.96%を下回った。通常、FRBの政策見通しに連動する2年債利回りは4.66%で横ばいだった。30年債利回りは5.31%に低下した。

ドルの価値を複数の通貨に対して加重平均で示すドル指数は0.6%上昇し、8月中旬以来初めて100を上回った。

カタリスト・ファンズのシニア・ポートフォリオマネジャー、ラリー・ホルゼンターラー氏は、エポックタイムズに電子メールで寄せた見解で、「全会一致の利上げと年内の追加利上げを示唆したことで、市場の不確実性はいくらか取り除かれるだろう。これは好材料だ」と述べた。

「市場にとって間違いなくプラスである。FRBが今日行動しなければ、市場全体に相当な緊張が生じたと考えるのが妥当だ」とした。

ウォーシュ氏は、最近の国債利回りの急上昇について、経済見通しの改善、資金獲得競争の激化、イランでの戦争が要因だと述べた。

アンドリュー・モランは10年以上にわたり、ビジネス、経済、金融について執筆。「The War on Cash.」の著者。
関連特集: アメリカ経済