2026年3月11日、イスラエル中部の地中海沿岸都市ネタニヤの上空に、イランによる新たなミサイル攻撃の中でロケットの軌跡(JACK GUEZ / AFP)

米軍「最猛烈の一日」 韓国配備パトリオットを中東へ移動

3月10日、米ヘグセス国防長官は、対イラン軍事作戦開始以来、最も激しい攻撃を実施すると発表した。標的はイランのミサイル備蓄、海軍戦力、核関連施設などだという。同時にアメリカは、韓国に配備していたパトリオットミサイルなどの兵器を中東に移動させ、戦力を増強している。イラン当局は徹底抗戦を表明しているが、新指導者モジタバ・ハメネイ師はこれまで公の場に姿を見せておらず、重傷で死亡したとの情報も広がっている。一方、アメリカ側は交渉に言及しており、情勢は戦闘拡大と停戦の分岐点に差しかかっている。

ヘグセス氏は「きょうは、イラン国内への空爆として、これまでで最も激しい一日になるだろう」と述べた。

3月10日、アメリカとイスラエルはイランに対し、戦闘開始以来で最大規模となる空爆を実施した。投入された戦闘機や爆撃機の数、空爆回数はいずれも過去最多を記録した。アメリカ軍が重点的に攻撃した標的も明確だった。

ヘグセス氏は「第一に、(イランの)ミサイル備蓄、ミサイル発射台、そして国防産業基盤にあるミサイルと製造能力を破壊する。第二に、その海軍戦力を殲滅する。第三に、イランが核兵器を保有することを永久かつ完全に阻止する」と表明した。

アメリカとイスラエルによる空爆は激しいものの、精密攻撃が中心のため、被害が及ぶ範囲は比較的限定的だ。イラン国内では市民が日常生活の回復に努めている。

イランの店主ガセミさんは「ここ2、3日で、私たちは少しずつ市場に戻り、営業を再開している。戦争の影響はそれほど大きくないが、私たちにとって一番大切なのは仕事が正常に戻ることだ」と語った。

ウィトコフ特使はCNBCのインタビューで、イランが交渉に応じるのであれば、トランプ氏も交渉に前向きだとの認識を示した。

しかし現時点でイランは交渉の席に着くことを拒否している。イランのアラグチ外相は3月10日、どれだけ時間がかかろうとも、イランはミサイル攻撃を続ける準備ができていると述べた。

同日、エルサレムやハイファなどイスラエルの複数の都市で防空警報が鳴り響いた。さらにバーレーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなど湾岸諸国が、イランのミサイルやドローンによる攻撃を受けた。

ヘグセス氏は「イラン政権は重大な誤りを犯した。それは最初から近隣諸国を攻撃したことだ。これによって彼らの本質が露わになった」と指摘した。

アメリカは、韓国に配備していたパトリオットミサイルやTHAAD(高高度防衛ミサイル)などを中東へ移動させ、イランとの戦闘に備えていると伝えている。

関連記事
トランプ大統領はイランとの覚書締結について、軍事衝突による世界経済危機を回避するためと説明。強硬派の批判に反論し、合意は実質的な「無条件降伏」と主張した
ホワイトハウスは、実務調整の遅れからヴァンス副大統領のスイス訪問を延期すると発表した。トランプ大統領らが署名した暫定合意(MOU)に基づき、海上封鎖は解除されたものの、今後の核交渉の先行きは不透明だ
イラン戦争の予備的和平合意を徹底検証。オバマ時代の融和策とは一線を画し、圧倒的な軍事力でイランの核野望を挫いたトランプ政権の成果を解説する。国内外の的外れも含む様々な批判を退け、真の中東情勢の地殻変動に迫る
副大統領は、時期はイラン当局者がいつ出席できるかに一部依存すると述べた。軍事封鎖解除の一方で、イランの出方を見極める米国の姿勢が焦点だ
イラン戦争と和平合意をめぐる混乱の中、著名軍事史家のビクター・デイビス・ハンソン氏は、トランプ政権の対応に対する批判にはいくつかの誤解があると指摘した