2026年3月10日、ワシントンの連邦議会議事堂で開かれた上院司法委員会の「出生による市民権(出生地主義)」に関する公聴会で証言する、政府説明研究所(のピーター・シュバイザー所長(Brendan SMIALOWSKI / AFP)

中共 出生による市民権を悪用 米国の国家安全に脅威

米上院司法委員会憲法小委員会は最近、不法移民や外国人旅行者の子どもに自動的に市民権が与えられる「出生地主義」をめぐり、公聴会を開いた。政府説明研究所のピーター・シュバイツァー所長は、中国共産党(中共)がアメリカの出生による市民権制度の抜け穴を大規模に利用しており、アメリカの国家安全保障に深刻な影響を及ぼす可能性があると指摘した。

政府説明研究所のピーター・シュバイツァー所長は「中共はアメリカの『出生による市民権』制度を利用している」と述べた。

シュバイツァー氏は、中共が中国人に対し、アメリカで生まれた子どもはアメリカ市民になると宣伝し、いわゆる『出産ツーリズム』を奨励していると指摘した。

シュバイツァー氏は「私たちは、1千社以上の企業が8万ドルから10万ドル(約1千3百~1千6百万円)を受け取り、中国人をアメリカへ渡航させ、入国手続きや医療サービスを手配していることを確認している。生まれた子どもは、飛行機に乗れるようになるとすぐ中国へ送り返され、中国共産党の統治下で育てられる」と語った。

シュバイツァー氏と、エリック・シュミット上院議員は、この状況が国家安全保障上の脅威となり得るとして懸念を示した。

ピーター・シュバイツァー氏は公聴会で、「中共政権の認識では、過去13年間、毎年平均約5万人の(このような)子供がアメリカで生まれている。しかし、サルバトーレ・バボネス教授のような専門家は、実数は毎年10万人に近いと考えている。我々の推計では、累計で少なくとも約75万人から150万人に達する」と説明した。

エリック・シュミット氏は「これが何を意味するのかわからない。150万人もの、理論上はアメリカ市民である人々が中国で生活し、そこで育ち、将来アメリカに戻って投票したり、政治候補者に献金したりすることになる」と語った。

マーシャ・ブラックバーン上院議員は「ロシアと中国(中共)が、同様の宣伝活動を行っているのを確認している。敵対国の人々がアメリカに入り、アメリカ市民権を持つ子どもを出産し、アメリカの社会保障番号を得ようとしているのだ」と指摘した。

シュヴァイツァー氏によれば、これらの業者はアメリカでの出産を希望する中国人の女性に対し、ビザ申請時に「医療検査が目的である」などと嘘をつくよう指導している。ブラックバーン議員は「彼女たちがどのように制度の穴を突くかを教え込まれている。これは非常に重要だ」と考えている。

トランプ米大統領は昨年、両親が不法滞在者やビザによる一時滞在者である場合、アメリカ国内で生まれた子どもに自動的に市民権を付与しないとする大統領令に署名した。

この大統領令は現在、裁判所の判断を待つ間、効力が一時停止されている。最高裁は4月に審理を行う予定で、6月か7月に判断を示す見込みだ。

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