2026年3月17日、千葉県袖ヶ浦市の京葉シーバースに石油タンカーが係留されている(写真:Yuichi YAMAZAKI / AFP via Getty Images)

中東緊迫下も石油製品の「需要抑制は不要」 進む代替調達による安定供給 =石油連盟会見

2026年5月20日、石油連盟の定例記者会見が開催され、同日付で会長に再任された木藤俊一氏(出光興産会長)が、緊迫する中東情勢下での安定供給体制や原油市況に関する見解を述べた。中東情勢の不透明感が続く中、政府と連携した安定供給の維持に全力で取り組む姿勢を強調している。

ホルムズ海峡の実質封鎖などにより原油の調達環境は厳しさを増しているが、木藤会長はガソリンや軽油といった石油製品について「直ちに需要を抑制する必要はない」との考えを示した。メキシコやエクアドルなどの中南米、さらには米国やロシアなどを代替調達先とする取り組みが進んでおり、製油所の稼働をしっかりと維持できていると説明している。また、必要に応じて政府と連携し、国家備蓄原油の活用も含めて石油の安定供給に尽力する方針である。

今後の原油価格の見通しについては「大変困難な状況にある」と指摘した。2026年2月28日に発生した米国とイスラエルによるイラン攻撃以降、ドバイ原油は一時急騰し、ピーク時は1バレル170ドルまで上昇した。その後は停戦に向けた動きもあり、4月以降は1バレル100ドルを中心としたプラスマイナス10ドル程度のレンジ内で推移している。しかし、2025年が中心価格70ドル程度で推移していたことと比較すると、依然として30ドル程度上昇した高い水準にあるとの認識を示した。

▶ 続きを読む
関連記事
金融庁と東京証券取引所は、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的とするコーポレートガバナンス・コードの改訂を最終決定した。2015年の導入以来、日本の企業統治改革を支えてきた同コードを再編し、形式的な対応にとどまらない実質的なガバナンスの強化を企業に求める
米特許訴訟で約370億円の支払いを命じる陪審評決を受け、キオクシア株がストップ安に急落した。同社は評決を容認できないとして、控訴を含む法的措置を講じる方針である
クレジットカード決済代行の全東信が破産し、加盟店への未払いは約53億円に上る。制度上、決済代行業者への監督が不十分な点が浮き彫りとなり、政府は相談窓口や資金繰り支援を開始。規制強化の是非も議論されている
政府は光通信用半導体の量産計画を認定。富山・新潟に約6千億円を投資し、最大1600億円を助成する。AI時代の電力課題に対応し、国内サプライチェーン強化と生産拠点分散を進める
日中関係の緊迫化に伴い相次ぐ邦人拘束やレアアース規制。資源依存からの脱却と経済安全保障の強化を迫られる中、ビジネスの建前を排し、自由と尊厳を守る独立国家としての「本心」に目覚め始めた日本を描く論評