台所にある自然の恵み 風邪の季節に役立つ3つの食材

日が短くなり、朝の冷え込みが増すころ、職場ではすでにせきをしている人がいるかもしれません。風邪やインフルエンザの季節が近づいています。今から身につける習慣が、その季節を体が無理なく乗り切る助けになります。
 

まずはストレスに目を向けましょう

秋は自然と自分の内面に目が向く季節です。生活の中に、慢性化しているストレスがないかを振り返るのにもよい時期です。

急性のストレスと慢性のストレスを区別することは大切です。急性のストレスは免疫機能を一時的に高めることがありますが、数週間から数か月にわたって続くストレスは免疫系の働きを抑え、コルチゾール(ストレスへの反応などに関わるホルモン)などの分泌を促します。こうしたホルモンは、長期的には炎症を引き起こし、体内に侵入した病原体などと闘うために必要な白血球を減少させる可能性があります。

ストレスをなくすことはできませんが、どう対処するかによって大きな違いが生まれます。祈り、日記を書くこと、ヨガ、瞑想などの実践は、心を落ち着かせ、この世界で生きる目的や自分自身の価値を改めて感じ、ストレスにより効果的に対処する助けになります。

ストレスへの対処を助けるハーブ

アダプトゲン(ストレスへの適応力を高めるとされるハーブ類)は、ストレスに対処する力を養い、体のバランスを整え、ストレスとその幅広い影響に対処する助けとなるハーブです。カプセル、粉末、お茶、チンキ剤として摂取できます。よく知られているものには、アシュワガンダ(インドの伝統医学で用いられるナス科の植物)、五味子、ロディオラ(イワベンケイという植物の根などを用いたハーブ)、甘草、ホーリーバジル、高麗人参などがあります。

小規模な研究では、アシュワガンダの根の抽出物を毎日摂取した成人で、自覚するストレスや不安、朝のコルチゾール値が大幅に低下したことが報告されています。睡眠の質にも有意な改善が見られました。ほかの小規模な研究では、ロディオラがコルチゾールを減少させ、精神的な疲労の軽減を助け、強いストレスがかかる時期の気分を改善することが示されています。

睡眠を大切にしましょう

睡眠も、免疫機能と全身の健康に大きく影響する要因です。丈夫な免疫系を保つには、規則正しく質のよい睡眠を取ることが欠かせません。現代社会では睡眠不足が珍しくありませんが、研究では、十分な睡眠を取らないと免疫系の働きが弱まり、感染に対する体の防御力が低下し、慢性的な炎症が増えることが示されています。

健康な免疫系を維持するには、引き続き定期的に体を動かす必要がありますが、寒い季節に入るにつれて、体のエネルギーを温存するために、活動量は夏よりも少し減らすべきです。また、健康で心身ともに良好な状態を保つには、より多くの睡眠も必要です。

言うほど簡単ではありませんが、就寝の1〜2時間前に電子機器の使用をやめ、照明を落とすと、体がメラトニン(睡眠と覚醒のリズムを調整するホルモン)を分泌し、眠る準備を整える助けになります。規則正しく質のよい睡眠は丈夫な免疫系を支える一方、現代社会で一般的になっている慢性的な睡眠不足は、感染に対する防御力の低下や、慢性的な炎症の増加と関連しています。
 

台所にある薬

台所にあるハーブやスパイスは、この時期によく見られる感染症に対する体の抵抗力を高める、強力な薬になります。

ニンニク

最もよく知られているものの一つが、健康を幅広く支える優れた食材、ニンニクです。手に入りやすく、安価で、少し挑戦してみたい気持ちがあれば、栽培も簡単です。

ニンニクには強い抗菌、抗ウイルス、抗真菌、抗寄生虫、抗炎症作用があり、免疫力を高め、病気を予防するのに優れています。

最も手軽な方法は、食事に使う量を増やすことです。生のニンニクを刻むかつぶし、調理する前に10分ほど置いてください。こうすることで、ニンニクの主な有効成分であるアリシンが生成されます。風邪のひき始めを感じたら、生で摂取します。1〜2片をつぶして10分置き、食べ物と一緒に飲み込みます。試すには勇気がいりますが、身近にある自然由来の選択肢です。味が苦手なら、カプセルを試してみてください。健康効果をさらに求めるなら、黒ニンニクも選択肢になります。これは、もちもちした食感と甘みが出るまで発酵させたニンニクです。タイ、韓国、日本では、何世紀にもわたって利用されてきたといわれています。

約50年の臨床経験を持つ臨床ハーブ療法家、鍼灸師、機能性医学の実践者で、ニュージャージー州の「ハーバリー・ユアーズ」を経営するケリー・アダムズ氏は、自身のニンニクの使い方を教えてくれました。

「私はタイムとショウガのお茶に加えるのが好きです。どちらも体を温め、血行を促します」と、アダムズ氏は電子メールでエポックタイムズに語りました。「タマネギと蜂蜜に加えて、せき止めシロップにすることもよくあります」

薬を服用している場合や、慢性疾患の治療を受けている場合は、薬用としての量のニンニクを摂取する前に、医療従事者に相談してください。ニンニクは体を温めるハーブであるため、アダムズ氏は、すでに発熱、目の充血、顔の赤みなど、体に熱がこもっている兆候がある場合には使用を控えるよう注意を促しています。また、血液を固まりにくくする薬を服用している人や、胃潰瘍、胃炎の既往がある人も、ニンニクの使用には注意が必要だと付け加えています。

カイエンペッパー

カイエンペッパーも、多くの家庭のスパイスラックや台所の戸棚にあるハーブです。辛い食べ物が好きなら、体を強くし、病気を遠ざけるよい方法になるでしょう。栄養価が高く、ビタミンCを豊富に含んでいます。また、健康な免疫系に必要なビタミンE、A、B群も含まれています。カイエンペッパーのビタミンAは、鼻、口、肺の健康な粘膜をつくるのを助け、微生物の侵入を防ぐのに役立ちます。

医学誌『ジャーナル・オブ・アレルギー・アンド・クリニカル・イミュノロジー』に掲載された小規模な研究では、非アレルギー性鼻炎の参加者が、カプサイシンの点鼻スプレーを14日間使用したところ、症状の改善は速やかに現れ、持続性があり、その改善は有意でした。

スープや煮込み料理、お茶に乾燥したカイエンペッパーをひとつまみ加え、体の調子を見ながら少しずつ量を増やして試すことができます。カイエンペッパーは、食品として摂取する分には一般に安全とされていますが、体に熱がこもっている兆候がある場合は避け、胃の不調や刺激が生じたら使用をやめてください。

蜂蜜

蜂蜜は、その抗菌、抗微生物、抗炎症作用により、長い間、薬用に使われてきました。ある研究では、蜂蜜は約60種類の細菌に加え、一部の真菌やウイルスの活動も抑えるとされています。実験室での研究では、抗体や、単球、好中球、ナチュラルキラー細胞、Tリンパ球、Bリンパ球といった免疫細胞の働きを刺激する可能性も示されています。ただし、こうした作用が、毎日スプーン1杯を摂取することで免疫応答が強まることにつながるとは、まだ示されていません。

それでも蜂蜜は、風邪やインフルエンザの季節に、つらい症状を和らげるものとして長年使われてきました。ハーブを使った多くの家庭療法の材料にもなっています。薄切りのタマネギと組み合わせると、効果的なせき止めシロップになります。

選ぶなら、非加熱の蜂蜜がよりよいでしょう。市販の蜂蜜の多くは加熱殺菌されており、高温にさらす過程で、有益な成分の多くが失われる可能性があります。一方、非加熱の蜂蜜は巣から採れたままのもので、そうした成分の大部分が保たれています。風邪やインフルエンザの季節に毎日スプーン1杯の蜂蜜を摂取することは、免疫力を高めるよい方法です。

多少高くてもよいのであれば、マヌカハニーで蜂蜜の恩恵をさらに高めることができます。マヌカハニーは、ほぼニュージーランドだけに自生するマヌカという低木の花を訪れて受粉を助けるミツバチがつくる蜂蜜です。本物であることを確かめるために、ラベルにユニーク・マヌカ・ファクターの表示があるかを確認してください。

蜂蜜は糖分を含むため、糖尿病のある人は摂取に注意が必要です。また、ボツリヌス菌の芽胞による危険があるため、1歳未満の子どもには絶対に与えてはいけません。
 

おわりに

どれか一つのハーブや習慣だけで、風邪やインフルエンザにかからなくなるわけではありません。しかし、ストレスに対処し、睡眠を大切にし、長年使われてきた食材をいくつか台所に備えておくことは、いずれも体の抵抗力を保つ助けになります。

「病気への抵抗力を左右する重要な要因は、ウイルスや細菌そのものではなく、それらを迎え入れる体内環境の状態です」と、アダムズ氏は述べています。そして、丈夫な免疫系、健康な粘膜、消化器系、神経系を重点的に支えるべきだと付け加えました。

 

(翻訳編集 井田千景)

鍼灸医師であり、過去10年にわたって複数の出版物で健康について幅広く執筆。現在は大紀元の記者として、東洋医学、栄養学、外傷、生活習慣医学を担当。