【車椅子の花嫁】「大分さん家」の介護日誌(3)
【大紀元日本4月23日】大分さんと私の「指きり」げんまん
私「澄みゑさん。お早うございます」
大分さん「お久しゅうございます。あんたなん?」
私「はい、お久しゅうございます。橋田ですよ。は~ちゃんですよ」
大分さん「あれ、は~ちゃんなん?」
私「はい、そうですよ。私の名前を早く覚えて下さいね」
大分さん「そりゃあ、おぼえにゃ、悪いね」
私「す~ちゃんと私は、お友達ですから、ちゃんと名前で呼んで下さいね」
大分さん「はい、いいよ」
大分さん愛用の今月のカレンダーには、博多人形の絵が描かれていました。二人の女の子が、元気良く笑って遊んでいる絵です。
私「カレンダーに私の名前を書いておきますから、覚えて下さいね」
大分さん「はい、いいです」
私「左の女の子は、は~ちゃん。これが、わ・た・しです。右の女の子はす~ちゃんです」
大分さん「これ、わたしなん?」
私「はい、そうですよ。ひ・だ・り、の女の子が、は~ちゃん、わ・た・しですよ」
大分さん「あんた、は~ちゃんなん?」
私はマジックで大きく、二人の名前「す~ちゃんと、は~ちゃん」を書き入れました。澄みゑさんに、私の名前を覚えていますかと聞くと「おぼえません。あんたの名前は難しいから、おぼえらん」という返事がいつも返ってきます。大分さんの介護をして、1ヶ月以上たちました。私の名前をどうしても記憶して頂く方法を、あれこれ考えることにしました。
私「これから、す~ちゃんと呼んだら、はい! は~ちゃんと呼んで下さいね。す~ちゃんと私は、お友達ですから、はーちゃんと呼んで下さい。す~ちゃん?!」
大分さん「はい!」
私「あれ? 何か忘れましたよ。はーちゃんと呼んで下さい。す~ちゃん!」
大分さん「はい、は~ちゃん!」
私「はい、できました。これから、必ずわ・た・しの名前を呼んで下さいね」
大分さん「はい、いいです」
私「す~ちゃん!」
大分さん「はい! は~ちゃん」