FBI:米華人新聞に広告、中国スパイ情報提供呼びかける

【大紀元日本7月6日】米国連邦調査局(FBI)は最近、サンフランシスコ華人新聞数社に広告を掲載、国家安全にかかわる情報提供を呼びかけた。関係者によると、この広告は中国語のみで、中国当局による活発な諜報活動に対応するためと見られる。

広告の全文の内容は次の通り。

「連邦調査局(FBI)は多くの職責を担っている。その中、米国の国内安全と公民の権利を保護するのが含まれている。ここに在住する華人の方々はかつて、危険人物の侵入と、国家に危害を加えるのを防ぐために、FBIに協力していた。我々の自由と民主を守るために、引き続き皆さんの協力を願っている。もし、皆さんが、国家利益を危害する情報を入手したら、我々は誠意を持って皆さんと話し合いたい。特に、中国国家安全部の状況を知るすべての方に関して、FBIと連絡することを心から歓迎している。もし、英語が分からないのであれば、我々は中国語を話せる調査員を派遣し、協力する。連絡は電話(415)553-6400番か、郵送(P.O.Box 36015,San Francisco, CA 94103)で。担当:調査員・浩思まで。(情報提供者の個人情報は厳格に守秘される)

FBIは本広告の中国語原文を作成し、6月30日から、毎日現地の華人新聞紙に掲載したという。

FBIサンフランシスコ支局のスポークスマンのジョゼフ・シャドラー(Joseph Schadler)氏によると、この広告は、いま華人新聞紙にしか掲載していない。目的は、華人社会に刑事事件とテロリストの情報を提供させることだという。

1985年、米国に政治亡命した中国国家安全部対米国情報工作の当時の総責任者、北米情報司の司長、外事局の主任だった兪強生氏が提供した証拠で、米国の情報機関CIAに41年間在籍していたエリート幹部の金無怠(Larry WuTai Chin)が中国当局の工作員である正体が初めて割れ、当時の国際社会を震撼させるニュースとなった。

十数年前に、米国のある有名テレビ司会者が、米国在住の中国人留学生8人のうち、1人が中国当局の工作員と発言したことが、当時の米国華人社会で大きな波紋を引起こしていた。

昨年10月、米連邦捜査局(FBI)が、米国海軍機密情報を盗み取り、中共当局に提供した疑いで、香港フェニックス衛星放送テレビ局の責任者・麦大泓氏(56)および兄の麦大志氏(66)とその家族ら計5人を逮捕・起訴した。今年6月に、麦大志被告の家族は、中国当局に米国の国家機密を漏洩したことに関与したのを認めたという。

ここ2年間、FBIがハイテク技術を窃盗するなどの疑いで、計30人の米国在住の華人を逮捕した。FBIの高官は最近、「中国当局は留学生や代表団、研究者、観光、投資家など様々な手段で工作員を潜伏させ、米国の技術情報を盗ませている」と発言した。

2001年以来、ロサンゼルス華人団体のリーダー、熊徳竜氏、陳文英氏、羅文正氏が相次ぎ米国司法省の捜査を受け、起訴された。うち、熊徳竜氏と羅文正氏が国外逃亡している。江沢民・元主席の「最も信頼ある友人」陳文英氏は、米中2重スパイ案件の主役として、一時、逮捕されていた。

また、最近では、ドレクセル大学商学部教授の謝田氏(米国Purdue Universityの中国人学生会の副会長、米国中西部学生・学者自治連合会の初代執行主席を歴任した)、カリフォルニア工科大学の中国人学生会リーダーを歴任した李建中氏、南カリフォルニア大学の中国人学生会の会長だった叶科・博士など、米国大学の中国人学生会の元幹部らが相次ぎ公に、中国在外公館による学生会への支配・操縦の内幕を証言した。

また、2005年、豪州政府に政治亡命した中国駐シドニー領事館の政治参事・陳用林氏が提供した資料や証言によると、中国当局は豪州を含め、世界各国にスパイ・ネットワークを構築した。豪州だけでも、千人以上の工作員がいるという。同年、豪州で政治庇護申請をした天津国家安全局(中国当局の情報機構)の元幹部、●鳳軍(ハオ・フォンジュン)氏も、これを裏付ける内容を証言した。(●…赤+おおざと)

専門家は、摘発された中国工作員の案件は氷山の一角に過ぎず、中国当局による米国でのスパイ活動は盛んに行われていると警鐘を鳴らした。

今回、FBIが華人新聞紙で情報提供の協力を呼びかける広告を掲載するのは、中国当局による深刻なスパイ作戦を対応するための水際の策略とも受け止められている。

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