「進学率を求められるなかで、過度の学習プレッシャーを受けて多くの子どもがうつ病になり、自殺者も出ている」
「まるで監獄にいるような仕事環境のなかで、精神的にギリギリな状態で働いている。給料をもらえない時もある……」
中国のリアルな教育環境について、NTD新唐人テレビの取材に応じた教師や学生保護者は明かす。
河南省鄭州市の中学校教師の何(か)さんの場合、「仕事のプレッシャーがハンパではない。ある意味拷問のようなものだ。政府の教育部門は口先ばっかりでやることをやらない。大卒して教師になった場合、月給は2300元(約5万円)しかない。ただでさえ少ない給料なのに、給料が支払われない時もある。教師仲間のなかには、何か月も給料もらっていない人がいる」
「学校側が進学率を強く求めてくるため、教師は子供たちに勉強を強要する羽目になる。その結果、多くの子供がうつ病になってしまった」
「教師として、こんな仕事環境はもはや教育とは言えない、まるで監獄にいるようなものだ。朝6時から夜中の11時まで、繰り返される毎日のなかで、ギリギリの精神状態でやっている。いつか自分も精神的に崩壊しそうだ」
「中国共産党の教育制度が子どもたちを自殺へ追い詰めたんだ」
江蘇省揚州市に住む学生保護者の顧(こ)さんは「子どもの高校では朝6過ぎから朝自習が始まり、夜は9時過ぎになってようやく学校での勉強が終わる。揚州では毎年自殺者が出ている。子どもたちは中国共産党の教育制度によって追い詰められたのだ」と糾弾した。
中国では近年、校舎をふくむ高い建物から飛び降りるなどして、自ら命を絶つ学生が後を絶たない。
勉強漬けで、とにかく成績至上主義。そのため、親や周囲からの巨大なプレッシャーに押しつぶされるか、死に物狂いで受験勉強し著名な大学に入学したとしても、そこを卒業すれば、今はすさまじい就職難で、仕事はデリバリー配達員しかない。
そうした現状から、将来に希望を持てない学生が極めて多いことが、急増する自殺の大きな原因になっている。生徒の自殺を防止するために、校舎の窓などに「鉄の柵」や「金網」を張り巡らす学校も出てきているくらいだ。
中国の一部の高校の教室には「生命は輪廻転生すれば何度も得られるが、高考(大学入試)は一度しかない。(生命可以輪回、高考只有一次)」と書かれたスローガンが掲げられている。
要は「命よりも、受験を重視せよ」と言いたいらしいが、ここまでくると教育というより、もはや「狂気」に近い。
関連記事
「白肺」になっても学校を休ませない? 子供に過重な「中国式教育」の異常性(こちらをクリック)
生徒が「窒息しそうな」教育環境 監視カメラで天井が埋め尽くされた学校の教室=中国(こちらをクリック)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。