社会問題 「中国人の道徳低下問題」、もはや対岸の火事では済まされない。

「火鍋放尿事件」 海底撈は食事客4109組に全額返金と10倍弁償へ=上海【動画あり】

2025/03/14 更新: 2025/03/14

多くの中国人が訪れる日本も、もはや対岸の火事では済まされないかもしれない。

経緯

2月に中国・上海にある火鍋チェーン店「海底撈(かいていろう)」で起きた「火鍋放尿」騒動の波紋はまだ続いている。

事件が起きたのは2月24日未明。上海のチェーン店で食事を終えた17歳の少年2人、1人は店内個室のテーブルに乗り、火鍋へ放尿した。もう1人はその様子を収録、動画で拡散した。

動画には撮影者のヘラヘラした笑い声をも収録されており、テーブルに上がって、火鍋への放尿行為と合わせて、「今どきの若者のモラルの欠如」を非難する声がネットで広がった。

店舗側は当時、これには気付かず、ネット投稿動画を見て初めて知り、3月6日に警察に通報した。事件発覚後、店内は消毒され、食器類も交換されたものの、多くの利用者は「すでに利用した可能性がある」と不安を訴えている。

 

(ネットに拡散されている火鍋への放尿を記録した動画)

 

海底撈の対応と補償

海底撈は3月12日、2月24日~3月8日までに上海外灘店で食事をした4109組の客に対し、食事代金の全額返金と10倍の現金補償を支払うと発表した。

1組あたりの300元(約6千円)として、総額1千万元(約2億円)を超える賠償になると見られる。

 

中国の火鍋チェーン店「海底撈」による事件関連声明(NTD新唐人テレビより)
 

 

一方、当事者の少年2人は警察により行政拘留処分を受け、海底撈からも訴えられている。

ネット上では「17歳だというのに、人として、していいことといけないことが、わからないのか?」「信仰を持たず、他人への思いやりにも欠ける若者は多すぎる、この国どうなっちゃったの?」といった嘆きの声が大きい。

この事件は、中国の若者のモラル問題を浮き彫りにし、中国社会に大きな衝撃を与えている。

 

イメージ画像。中国の火鍋チェーン店「海底撈(かいていろう)」(NTD新唐人テレビより)
 

 

モラル低下は誰の責任?

近年、中国では未成年のマナーの悪化や犯罪が絶えない。

中国のネット用語に「熊孩子」というのがある。直訳すると、動物の熊の子供だが、モラル欠如のいたずら好きな手の付けられない子供を示すことが多い。「熊孩子」は同じくモラル欠如した「熊家長(保護者)」による溺愛や過度な保護の産物とされる。

この事件をめぐり、華人圏では「熊孩子の小便一つで海底撈は億の損失を被った。そもそもなぜ中国にはこうしたアホな熊孩子が絶えないのか」の議論が巻き起こった。

ユーザーたちが指摘する原因はやはり、「中国共産党(中共)による長年にわたる歪んだ教育の結果」だ。

この現象に対し、時事評論家・藍述氏はエポックタイムズの姉妹メディア・NTD新唐人テレビに対し、次のように指摘した。「こうした現象は中国社会の道徳や文化が全面崩壊したことの表れだ。原因はいうまでもなく中国の政権を奪取した中共による中国の伝統文化の破壊にあり、道徳観を持たない社会を作り上げたことにある。その結果、人々は善悪の基準がわからなくなった」

 

時事評論家・藍述氏(NTD新唐人テレビより)
 

 

対岸の火事ではない

中共による長きにわたる「無神論」「進化論」などの洗脳教育を受けて育った今の中国人のなかには、金銭ばかりを追求して、神仏を敬わず、因果応報も信じない人も少なくない。

共産党についての九つの論評【第六評】中共による民族文化の破壊には次のように書いてある。

共産党の哲学は、中国真正の伝統文化と正反対である。伝統文化は天命を敬い畏れる。孔子は「死生有命、富貴在天(死生は命に有り、富貴は天に在り)」と考えている。仏家と道家思想は有神論であり、生死は輪廻し、善悪に報いがあると信じている。共産党は無神論を信じているだけではなく、無法無天と主張している。



共産党についての九つの論評【第六評】中国共産党による民族文化の破壊

人類の歴史上、すばらしい文明を創り出した民族は、現在、その人種としてその子孫がまだ残っている.が、民族としてはその伝統的な文化が失われるにつれてだんだん姿を消してしまった

イメージ画像。中国の若者(NTD新唐人テレビより)
 
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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