社会問題 「鞭打ちの刑」と「立たす刑」

中国の中学校の校則に「体罰指導」

2025/02/26 更新: 2025/02/26

中国広東省にある民間学校「龍源実験学校」の目を疑う「校則」が話題になっている。

その学校の校則のなかには「過ちを犯した学生に対して、『鞭打ちの刑』と『立たす刑(座るのを許さない)』を実施して指導を行う」と堂々と記している。

学校側は体罰実施の件について、学生とその保護者のサインを求め、「体罰に同意しなければ他の学校を選べ」と強気の態度だと言う。

なお、規則のなかには「体罰」に関する詳細も記しており、例えば「鞭打ちの刑」の場合は主に手のひらをたたく罰となっており、1回につき最大10回まで打撃。また「立たす刑」の際には立たす時間は最大2時間まで。

一部中国メディアは「入学条件として体罰の同意を求めるのは違法、未成年者保護法に違反の可能性あり」などと問題視している。

「教師の個人的な感情が暴走し、過剰な暴力につながる恐れがある。教育者なら体罰に依存しないように適切な指導を行うべきだ」

「暴力で子供を教育しようとすれば、暴力的な人間を育てるだけだ」などと「体罰指導」に関しては、世論からも疑問や批判の声が多く上がっている。

なかには、「教師から受けた過去の暴行のせいで、今でもトラウマ」といった被害者の声も寄せられている。

 

「自殺しても学校と無関係」の誓約書

中国では近年、学校内でのいじめや不適切な指導が大きな問題となっており、生徒の自殺事件も相次いでいる。

ちょうど2か月前、広東省の中学校「広東省梅州市五華県水寨中学」に至っては生徒に「自殺しても学校とは無関係である」ことを誓う誓約書にサインさせている。

同誓約書には「もし自分が自傷や自殺をしても、学校とは無関係。自分も家族も、決して学校や教職員の責任を問わず、賠償を求めない」などの内容も含まれていると言う。

 

2023年5月、河北省で学生の謎の転落事故が起きた。画像はその大学前で真相究明を求め、泣きながら社会に助けを乞う遺族の姿(中国のSNSより)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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