中共が招いた関税戦争 中国サプライヤーが苦境に

2025/03/14 更新: 2025/03/14

トランプ大統領の就任以降、中国製品に2度10%の追加関税が課された。これを受け、米小売り大手のウォルマートは、中国のサプライヤーに対し、関税引き上げに伴う値下げを直ちに要求した。この動きは、中国の工場に倒産の波を引き起こす可能性があると情報筋は見ている。分析によると、中国共産党(中共)の誤った政策決定が中国のサプライヤーを困難な状況に追い込んでいるとしている。

最近、中国の小売業界の専門家が発表した分析記事では、ウォルマートの値下げ要求が、米中間の緊張が関税戦争の戦場からサプライチェーンの末端へと移行したことを示していると指摘している。

記事ではブルームバーグの報道が引用され、新たな関税が発効された後、ウォルマートが中国のサプライヤーと個別に交渉し、米国側が課した関税コストを負担するよう求め、値下げの波は毎回最大10%に達した。

サプライチェーンに関する統計によると、中国製造業の平均純利益率は約3~5%だ。

中国・広東省のある台所用品のサプライヤーは、10%値下げすることは「直接破産することになるのと同様」と述べた。情報筋によると、ウォルマートの要求に応じられるサプライヤーはほとんどおらず、中国の工場で倒産の波が起こる恐れがある。

ウォルマートは世界最大の小売業者であり、中国からの年間調達額は90億ドルを超え、全世界調達額の70%を占めている。1.5万社の中国サプライヤーと深く結びついているため、中国の製造業者はベトナムやインドネシアなどの東南アジア諸国への移転を余儀なくされる可能性がある。

米サウスカロライナ大学エイケン・ビジネススクールの謝田教授は次のように述べている。

「確かに関税戦争がサプライチェーンの末端と上流に影響を及ぼし始めている。しかし、一部のサプライヤーは値下げを余儀なくされるだろう。彼らは米国市場を維持したいと考えている。一部のサプライヤーは関税を回避するために他の国に移転する可能性がある」

分析によれば、中国のサプライヤーが直面する倒産の危機は、中共の世界覇権を狙う野心の拡大に起因し、誤った政策決定や産業の武器化が壊滅的な影響を及ぼしたとされている。

長年、中国資本市場に関わってきた徐真氏は「米中の駆け引きの中で、中共は産業を武器化し、債務の輸出や過剰生産能力の移転、ダンピング、脱ドル化、人民元決済を通じて、西側の産業基盤と金融システムを破壊し、植民地化を目指している」と述べた。

謝田教授は次のようにも述べている。

「中共が一方的に巨額の貿易黒字を追求し、貿易補助金で中国企業の輸出を奨励するため、中国企業の生産能力は急速に向上した。同時に、中共は高関税を用いて米国製品の中国市場への参入を抑制しているため、中国は毎年1兆ドルの黒字を享受している。この黒字は中国の外貨準備となり、中共の権力者の資金を潤している」

トランプ氏が中共に課した20%の関税は、中共製のフェンタニルがアメリカに流入し、多くの米国人が命を落としたことへの制裁としている。

徐真氏は次のように述べた。

「自国の産業と金融の安全を守るため、欧米諸国が関税引き上げなどで自衛するのは理にかなっている。トランプ2.0が世界の構図を再形成し、中共のグローバル化を排除する流れが世の趨勢だ」

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