ある米企業家が、依頼者の突然の死に備え、前もって登録された遺言を死後に家族や友人に届ける新しい電子遺書サービスをウェブ上で開始した。
同ウェブサイト(www.YouDeparted.com)では、家族などにパスポートや生命保険の契約書といった重要書類の所在を知らせることができるほか、葬儀での自分の死に装束についての希望を伝え、最愛の人々にビデオメッセージや写真を送ることもできるという。
このサービスを考案したネバダ州の企業家コリン・ハリス氏(51)は、人の死にまつわる業務の多くについて、かつては家族が信頼する弁護士が頼りになったと説明。しかし、現代社会が複雑化し、家族の離散や移動が増えたことから、より組織立った対応が必要と述べた。
同氏自身、父親を突然亡くしたために遺言を受けられず、途方に暮れた体験があるという。
このサイトでは、米軍が採用している暗号化システムを用いて各依頼人の電子貸金庫の安全性を維持。依頼者が死亡した後は、前もって決められた家族のメンバーだけが、その内容を読み出すことができる。
ハリス氏によると、同サイトを5月に立ち上げて以降、約100人がサービスの有料登録を行ったという。
[ロサンゼルス 9日 ロイター]
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