スキューバダイビングが起こした奇跡、半身不随者が歩けるように=英国

【大紀元日本9月12日】英「ニュース・オブ・ザ・ワールド」紙によると、先天性神経系統疾病「二分脊椎症」に罹り、下半身不随になった英国のマーク・チノビスさん(45)が、スキューバダイビング奇跡的に歩けるようになった。チノビスさんはここ10年間、スキューバダイビングをすることで徐々に車椅子から脱却し、新たな人生を迎えたという。

10年間で徐々に車椅子から脱却

報道によると、最近1年間でチノビスさんが車椅子を使用したのは2回だけであった。彼はさらに、岩壁の頂上から下へ縄を使って降下するロープクライミングやウィンドサーフィンも始めたという。

チノビスさんは12歳のときから杖を頼りに歩いており、34歳のときに神経の損傷がひどくなったため、とうとう歩けなくなった。その後、車の運転もできなくなり、1人では着替えや風呂に入ることもできなくなった。チノビスさんは最終的に、仕事も辞めざるを得なかった。

半身不随のチノビスさんは、水中で自由自在に動くという、とても手の届かないと思われる望みを是非とも実現したかった。そこで、9年前に医師を説得して健康診断証明書を書いてもらい、スキューバダイビング教室に通い始めた。そして、1998年10月2日、チノビスさんは妻と共に休日を過ごしに地中海のメノルカ島を訪ね、スキューバダイビングの夢を実現させた。

チノビスさんは、コーチに車椅子から抱えあげてボートサイドに座らせてもらうと、ゆっくり海に入った。そして、水中17メートルに達したところで、コーチに船の上に引っ張りあげてもらった。そのとき、奇跡が起こったのだ。チノビスさんは、12歳の時以来初めて、人の助けを受けずに、自らの両足で立ち上がり、非常にゆっくりだが足を動かすことができたのである。

ダイビングが深ければ深いほど、長く歩けるように

しかし、それから3日後、チノビスさんは再び歩けなくなった。これが、チノビスさんがもう一度スキューバ器材を着用してダイビングを続ける決心をした理由だ。チノビスさんは、ダイビングを続けるうち、ダイビングが深ければ深いほど、水上に戻った後に歩ける時間が長くなることに気が付いた。チノビスさんによると、水深50メートルまでダイブした後は8カ月間も歩けた、そして17メートルに達しないダイビングの場合は、何の効果もなかったという。

チノビスさんの回復状況に、周りの人はとても驚き、信じられない。医学関係者は、唯一理論的に考えられることとして、ダイバーがスキューバ器材から吸入する酸素濃度が高いことから、チノビスさんの血液中の酸素濃度も高くなり、神経細胞に対して暫時的な作用をもたらしたのかもしれないという。

(翻訳/編集・豊山)