【中国のことわざ】病入膏肓

【大紀元日本11月22日】【病入膏肓 bìng rù gāo huāng】病膏肓(こうこう)に入る。病気が重くなって良くなる見込みが全くない。転じて、悪癖や弊害などが手のつけられないほどになること。

春秋時代、晋の景公は重い病気にかかり、秦から名医の緩を呼んで診てもらうことになった。緩が到着する前に景公は夢を見た。その夢に、病魔が二人の子供になって現れ、その一人が、「緩は名医だから、きっと私たちをひどい目に遭わせるだろう。どこに逃げたらいいだろう」と言った。すると、もう一人が「薬の届かない肓(=横隔膜)の上、膏(=心臓)の下に逃げ隠れれば、名医でさえ私たちをどうすることもできないだろう」と言った。その後、緩が到着し、景公の病状を診察した後、「この病気は治すことができません。病魔が肓の上、膏の下に入っているので、処置なしです。針も届かず、薬も効きません。」と言った。景公は「さすが名医である」と言って、手厚く礼物を与えて、緩を帰国させた。その後、程なくして景公はこの世を去った。

出典:魯・左丘明《春秋左氏伝・成公十年》

(編集・縁修、瀬戸)