【大紀元日本11月15日】四国や九州の海辺、山地に自生しますが、人家にも植えられるセンダン科の落葉高木。5~6月に円錐花序をつけ、うす紫色の小さな花が咲きます。果実は熟すと淡黄色になり、秋の落葉後も枝先に残り、大木が球状の実で飾られます。タイワンセンダンの熟した果実を苦楝子(くれんし)、樹皮を苦楝皮(くれんぴ)と言い、日本で生薬として流通しています。トウセンダンの果実は川楝子(せんれんし)と言い、同じく生薬として使われています。
箪笥などの家具材のほか下駄を、また果実の核からは数珠を作るなじみ深い木でもあります。
また『万葉集』、『枕草子』など王朝文学の中にも多く記されています。
「妹が見し楝(おうち)の花は散りぬべし わが泣く涙いまだ干(ひ)なくに」(作:山上憶良)
ところで、「栴檀は双葉より香し」の栴檀はビャクダン科の香木のことです。
【薬用効果】栴檀の成熟果実を天日乾燥した苦楝子(川楝子)は肝・胃・小腸に作用し、特に肝臓に働き、気の流れを良くするため、胸脇部や胃部の脹痛に有効で、整腸薬、鎮痛薬とされます。また、寄生虫による痛みにも応用できます。一日量は乾燥物3~9gを煎服します。
苦楝皮は樹皮あるいは根皮を用い、寄生虫の駆除薬です。一日量は乾燥物6~9g、生なら12~24gを煎服します。有毒なので服用には注意が必要です。
【染色用】9月頃の緑葉を熱煎して染液とします。錫媒染で黄色、銅媒染でびわ色、鉄媒染で鶯色に染まります。アルカリ性で煎じて染液を採ると、きれいな緑色を染めることができます。
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